昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−76

専門分類

7

研究課題名

唇,顎,口蓋裂患者と両親における顎顔面頭蓋形態の類似性の統計的研究

フリガナ

代表者氏名

オオツカ スミマサ

大塚 純正

ローマ字

所属機関

昭和大学

所属部局

歯学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

唇,顎,口蓋裂児の顎顔面頭蓋の形態学的特徴を明らかにし,さらにそれらの形態的変異が裂や生後のさまざまな形成手術等の影響で修飾されている発端者群のそれと,如何なる類似性を示すかを知ることを目的とする。


本研究は唇裂・口蓋裂児の両親における顎顔面頭蓋の形態学的特徴を明らかにし,さらにこれらの形態的変異が裂の状態や生後の様々な形成手術等の影響で修飾されている発端者群のそれと,如何なる類似性を示すものかを知る目的で着手した。
資料は,唇裂患者39名,片側性唇顎口蓋裂患者75名,口蓋裂患者41名とこれら両親より得た155家族465名および対照群としての成人非裂者(男子46名,女子43名)を加えた合計554名である。これら被験者の側貎頭部X線規格写真を用い,各々のトレース上に23計測点を設定し,顎顔面頭蓋に関する55項目の計測を行った後,データ解析を行った。
その結果,次のような所見を得た。
I.発端者両親と成人非裂者との比較
すべての両親群において(1)頭蓋基底角(LNSBa)の開大,(2)下顎の後退,下顎下縁の開大とそれに伴なう下顔面高増大の特徴を認め,成人唇裂・口蓋裂患者の形態との類似性を示した。特に,口蓋裂両親においてこの傾向が顕著であった。
II.発端者と両親の類似性
クラスター分析ならびに関連分析によって親子の類似性を検討した。
距離データ,角度データで,各家族内における,発端者とその両親の少なくとも一方とが同一グループに入ったものは,155家族中50家族(32.3%),44家族(28.4%)に見られた。
以上の結果は唇裂・口蓋裂の両親の顎顔面頭蓋の形態は発端者に極めて類似すると考えられる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

大塚純正:唇裂・口蓋裂児と両親における顎顔面頭蓋形態の類似性に関する統計学的研究
日本口蓋裂学会雑誌,14巻1号に発表予定(6月)“現在校正中”


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

被検者は,顔面および口腔の破裂部位によって唇裂群,唇顎口蓋裂群,口蓋裂群の3群に分けた発端者群とその両親群(3群)とその対照群としての成人健常者(男・女)を充てた。
これらの頭部X線規格写真を用いて頭蓋,顎,顔面の形態計測を行い,多変量解析法を用いてデータ解析を行う。頭蓋・顎・顔面の形態に関する計測項目は55項目の多変量であり,それらの分析ならびに解釈には数学的な専門知識やコンピュータを必要とするが,当大学にはこのような設備や人材に乏しい。従って,是非とも本研究を遂行するために貴研究所での共同研究としてご協力をお願いするものであります。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 昇

統計数理研究所

柴崎 好伸

昭和大学

馬場 康維

統計数理研究所

福原 達郎

昭和大学