平成172005)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

17−共研−6

専門分類

2

研究課題名

物理乱数を利用した宇宙プラズマ粒子シミュレーションの研究

フリガナ

代表者氏名

オカダ マサキ

岡田 雅樹

ローマ字

Okada Masaki

所属機関

国立極地研究所

所属部局

宙空圏研究グループ

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

 

 

 

研究目的と成果の概要

オーロラ等の磁気圏内のプラズマ現象を再現する手法として宇宙プラズマ
粒子シミュレーションは、衛星観測、地上観測と並んで重要な手法の一つで
ある。近年、物理乱数発生機構の小型化、低価格化が進み大規模なプラズマ
粒子シミュレーションにおいても利用可能になってきた。プラズマ粒子シミ
ュレーションでは、個々の電子、イオンの実空間、速度空間での座標を初期
化するために数百億規模の乱数発生が必要となる。これまでの擬似乱数の発
生速度を超える物理乱数生成が可能になりつつあり、シミュレーション毎に
異なった乱数列を使用することにより、より観測に近い実験を計算機上で可
能になる可能性が高まってきた。このような物理乱数を利用した計算機シミ
ュレーションは前例がなく、物理乱数によるプラズマ粒子シミュレーション
の結果について、統計的見地、物理的見地双方から検討を行う必要がある。
また、その有用性を探ることが本研究の目的である。
 中野教授、田村教授との議論を経て、物理乱数ならびに擬似乱数に関する
最新の研究成果について議論を行った。極地研究所に導入されている物理乱
数生成機構を含む極域科学大型計算機システムによって得られたプラズマ粒
子シミュレーションの結果と統計数理研究所の統計科学スーパーコンピュー
タによって得られた結果の比較を行い、プラズマ粒子シミュレーションコー
ドの移植性、擬似乱数を用いたシミュレーションによって得られた結果と物
理乱数を用いたシミュレーションによって得られた結果の比較を行った。
 メルセンヌツイスターを含む数種類の擬似乱数について比較実験を行い、
プラズマ粒子シミュレーションにおける有用性、実用性に関する詳細な調査
を行った。
 「物理乱数のプラズマ粒子シミュレーションへの応用」、日本統計学会論文
誌、岡田雅樹、投稿中