平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−20

専門分類

2

研究課題名

統計データ解析エキスパートシステムの構成法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ウチナミ セイイチ

打浪 清一

ローマ字

所属機関

九州工業大学

所属部局

情報工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

17 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

専門家で無い人が統計データを解析するに当たり、どの解析方法を使えば良いのか。その解析結果をどのように解釈すれば良いのか分からず、間違った利用をしていることが良くある。そこで、統計解析を行うに際して使いやすい統計解析支援エキスパートシステムの構成法を、ケーススタディと理論面から検討し、効果的なシステム設計法の確立を目指す。


最初に打浪から、最近オブジェクト指向的アプローチが盛んであるが、オブジェクトの選定法として、ある統計解析が出来るような性質を持った数の集合を選ぶ方法と、解析手法を選ぶ方法とが考えられるが、素人にとっては、後者の知識の整理の方が使いよいのではないかと考えられるが、その様な整理の方法は可能であろうかとの問題提起があった。
岡大の柳氏からは、オブジェクト指向風に統計解析を見直す方法に就いての考察についての、続報があった。ある統計解析が出来る数の集合をクラスとして定義する前回の方式に対して、今回は、解析手法についてのクラス化による方法であり、上記後者の方式提案であった。
埼玉大の中野助教授、徳島文理大グループは、重回帰分析支援システムRASSのその後の経過について報告した。充実したプログラミング機能に付いての説明と検討がなされた。
北大の南氏は、統計解析に於いてどの仮定を採用するかを非単調論理の演繹に対応させる方法に就いて発表した。これは或意味では種々の可能性を並列処理している面白い方法である。
島根大の小林氏からは、統計解析エキスパートシステムの試作結果について、報告があった。
大分大の柿内氏らからは、統計解析データの可視化、表示システムの試作についての報告があった。データの散らばりが種々の観点から簡単に見えるシステムで、試用希望者がいた。
石巻専修大学の松田氏からは、マイコン上の要求分析、システム分析ソフトウェアを教育に使用した経験とその評価について報告があった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・松田孝子、鈴木恵美子:ソフトウェア開発における構造化分析手法に関する一考察、石巻専修大学経営学研究,Vol.5,No.2.pp81-114(1994)

・柿内博人、森重和昭、越智義道:動的なグラフィカル・データ解析システムの提案について−オブジェクト指向の導入−,大分統計談話会,1994.2.18.
・柳 貴久男,垂水共之:統計解析に於ける知識ベースのオブジェクト表現 日本計算機統計学会第七回シンポジウム,1994.10.21-22.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度まで、統計解析エキスパートシステムを構築するために、統計に関する知識、機能等について分析、システム分析、設計を行ってきた。その結果必要機能が明らかになり、黒板型のエキスパートシステムが適している事が分かった。それに従い、各自が自分の分野で、試験システムを構築し、その状況を報告し合い、その評価・検討を行ってきた。本年度も更にこの試作版の検討を行うと共に、その改善法、システムの構築法の検討を行う。
統計データベースはその内容が千差万別でその利用法も種々ある。また、ソフトウェアを構築する側と統計データを解析する理論の研究者側、利用者側とおおくの側面があり、これら三者が集まり研究するところとして、統数研は最適である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

越智 義道

大分大学

硴崎 賢一

九州工業大学

柿本 博人

大分大学大学院

刈谷 丈治

山口大学

小林 郁典

徳島文理大学

小林 康幸

島根大学

佐藤 英人

東京国際大学

田村 義保

統計数理研究所

得丸 孝行

九州工業大学

中野 純司

統計数理研究所

林 篤裕

大学入試センター

松田 孝子

石巻専修大学

南 弘征

小樽商科大学

柳 貴久男

岡山理科大学

山本 由和

徳島文理大学

力宗 幸男

神戸商科大学