昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−52

専門分類

9

研究課題名

安全性評価における統計解析−特に超加変動の処理−

フリガナ

代表者氏名

ヤナギモト タケミ

柳本 武美

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

毒性試験データの解析に伴う1つの困難は超加変動の処理にある。超加変動は繰り返し変動,同腹効果Clitter ellect)によって生じるものであり,後者の場合避けられないものである。
研究代表者はempirical Bayesアプローチが有効であり,また尤度関数を細かく調べる必要があると考えている。共同研究者は別のアイデアをもっている。相互のアイデアを交換する場を設定する。


毒性試験特に継代試験と呼ばれる主として催奇型性を調べるデータの解析では超加変動が問題となる。これは繰り返し変動あるいは同腹効果によって生じるものであり,後者の場合避けられないものである。そこで2項モデルを一般化して例えばBeta−Binomialモデルを仮定する必要がある。本研究ではこの分野に関心のある研究者の共同研究を企画したものである。
共同研究では従来の研究,特に自分の研究を互いにveviewし合いその上でこれからの研究について話あった。山本はBeta−Binomial logisticモデルの適用の限界を指摘した。漸近的な統計量の振舞が望ましくないことを示した。これが小標本の下でも成り立つことをシミュレーション実験で示すことを計画した。まずシミュレーションプログラムの作製を行い,これの作業の1部を柳本が担当した。
山本の研究を公害研の米元純三氏が関心を示したので同氏のデータ処理に関して特にBeta−Binomial logisticモデルとの関連において討論した。従来の同腹効果を無視したデータ処理の限界を改めて痛感した。
柳本はBeta−Binomialモデルにおける最尤推定量及び最大周辺尤度推定量について報告した。その後参加者相互の間で機会をみつけて研究討論を行った。
当研究当初申請約60万の内旅費を主として大巾に減額されたために集中的に共同研究を遂行することが不可能であり,来年度を継続して遂行することにより一応の成果ができることが期待される。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.Yamamoto,E.,Portier,D.and Hogain M.(1985).Estimation of parameters in the beta−binomial logistio model.Biomatic Society ENARの春季ミーティングで報告
2.Krewski,D.Hogan M.and Yanagimoto.T.ILSIより出版のモノグラフに分担執筆準備中。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

互いのアイデアを交換する場と研究した結果を吟味し合うための会合を設定する。その為には最低2度の会合が必要である。会合は研究発表というより意見の知見の交換とする。従って参加研究者は当研究所に出張中に研究の実務を行うようにする。文献蒐集,コンピュータシュミレーションのように当研究所によるサービスによって参加研究者に多大の便宜が計れるものについては配慮する。
この課題はホットな話題であり短期間に研究する必要がある。山本,越智,柳本の3名は別個にほぼ同一のテーマに関心をもったものであり共通の研究の場を設けることは好都合である。更にこの課題に関心のある研究者にも討論を依頼する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岡崎 卓

統計数理研究所

越智 義道

大分大学

Daniel Krewski

Environmental Health Center,Canada

馬場 康維

統計数理研究所

藤田 正一郎

放射線影響研究所

山本 英二

岡山理科大学