平成132001)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

13−共研−1023

専門分類

8

研究課題名

高度情報通信社会における統計<データ>の利用・公開規範に関する批判的考察

フリガナ

代表者氏名

シバサキ フミカズ

柴崎 文一

ローマ字

SHIBASAKI Fumikazu

所属機関

総合研究大学院大学

所属部局

教育研究交流センター

職  名

助教授

所在地

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研究目的と成果(経過)の概要

現代社会が高度な情報化の時代をむかえているということに,今日,異をとなえる者はない
だろう。このような状況下で,統計〈データ〉がもちうる「意味」や「社会的影響」も,以前
とは大きく異なる様相を示していると言える。しかし,一部の限定された領域を除いては,こ
うした新局面における統計〈データ〉の利用や公開方法に関する原理的で規範的な探求は,未
だ十分な成果を示すまでには到っていないと言わざるをえない。そこで本共同研究では,人文・
社会・自然・工学等のさまざまな学術領域における専門研究者の参加を得,諸統計〈データ〉
の利用や公開の方法に関し,批判的観点からの討議を展開することにより規範的原理を発見・
構成し,提起することをめざして出発した。
 メンバーによる討議では,様々な視点が提示され,活発な意見交換が行われたが,その一つ
の結果として代表者である柴崎は下記の「情報倫理学研究序説」を発表した。この論文は,我
が国においては恐らく初めての哲学・倫理系からの本格的な「情報倫理」に関する論考である。
 この論文において柴崎は,アリストテレス倫理学に基づく観点から,情報化社会のあるべき
姿に関する提言と,情報化の問題を含めた「科学技術」の高度な発展に伴う諸問題の源泉,及
びその解決へと向けた応用倫理学的考察の基本姿勢を素描すると共に,とりわけ情報化社会の
問題を含め,科学技術の高度な発展に伴う現代社会の諸問題は,科学技術 technology が本来
の意味を忘れ,engineering へと堕したことに起因しており,この問題を解決するためには,
科学技術が本来のギリシア的 technologia の精神に立ち返ることから出発しなければならない
という独自の視点を提示した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

柴崎文一,「情報倫理学研究序説」,『情報処理学会研究報告』(2001-CH-52),情報処理学会,平
成13年(2001)10月,pp.41-48。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

杉田 正樹

関東学院大学

高岩 義信

高エネルギー加速器研究機構

高畑 尚之

総合研究大学院大学

田中 美栄子

宮崎大学

田村 義保

統計数理研究所

名倉 賢

総合研究大学院大学

服部 彰

福岡大学

平田 光司

総合研究大学院大学

湯川 哲之

総合研究大学院大学