平成232011)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

23−共研−4508

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

調査票の設計が回答に与える影響について −マスコミ効果調査の個票データを用いて−

重点テーマ

社会調査関連資源の利活用

フリガナ

代表者氏名

ヒライ ヨウコ

平井 洋子

ローマ字

Hirai Yoko

所属機関

首都大学東京

所属部局

人文科学研究科

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

調査票の設計が回答に影響を与えるということは,これまで幾度も指摘されている(例えば,Schuman & Presser, 1996)。調査票設計にまつわる要因としては,調査票のなかで質問がどのように配置されているか(文脈効果),質問や回答の形式はどのようなものか(形式の効果),質問や回答選択肢はどのような表現になっているか(ワーディングの効果),などが指摘されることが多い。

1953年 (昭和28年) から1982年 (昭和57年) まで,計52回に渡って行われた『マスコミの効果調査(東京定期調査)』は,同じ母集団に対して項目を入れ替えながら継続的に実施された,貴重な調査データである。この調査では,調査票の設計に関していくつかの比較実験が行われている。例えば,
(1) 質問項目の提示順序の変更が,当該項目への回答にどのような影響を与えるか
(2) 質問項目の有無が,後続の質問への回答にどのような影響を与えるか
(3) 選択肢の提示順序の変更が,当該項目への回答にどのような影響を与えるか
(4) 質問文や選択肢等のワーディングが,当該項目への回答にどのような影響を与えるか
などである。

本研究は,『マスコミの効果調査』の個票データを再分析することで,これらの影響がどのようなものであるのかを調べるものである。また,上記のような調査票設計の違いによる影響を受けやすい人とそうでない人は,属性などを含めどのような点で違いがあるのかを明らかにする。
本研究により調査に携わる人々に対し重要な知見を提供できるだけでなく,大学等における質問紙作成授業の教材としても活用されることが期待される。

平成23年度は,『マスコミの効果調査』で用いられている質問文等を整理するとともに,個票データの入力と電子データ化,データのクリーニングを行った。その結果,52回の調査のうち45回分の調査データを電子データ化し,その集計結果をWebサイト上で公開することができた。さらに調査回の間でどの調査項目が継続して用いられているかを整理し,一部試行的ながら時系列結果を示すことができた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

整理の終わった調査回の集計結果は下記のWebサイトで公開している。

http://survey.ism.ac.jp/ef/index.html

また時系列の試行的な集計結果は下記のWebサイトで公開している。

http://survey.ism.ac.jp/ef_new/index.html

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

とくに研究会等は開催しなかった。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

土屋 隆裕

統計数理研究所