昭和621987)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

62−共研−60

専門分類

6

研究課題名

フラクタルと地震現象の数理

フリガナ

代表者氏名

サイトウ マサノリ

斎藤 正徳

ローマ字

所属機関

東京工業大学

所属部局

理学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

30 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地震現象は,観測データも豊富であり,数理科学の対象としてのみならず地震予知という社会的立場からも非常に興味あるものと考えられる。本研究は,地震学をはじめ,統計・数学・物理学・工学の広範な分野の研究者が集まって,その交流を通して,地震現象に対するデータの数理的解析方法やモデルを作りあげることを目的とする。すでに60,61年度の2年間にわたり,小グループによる共同研究や,研究集会等を通して,多くの成果をあげてきた。本年度は61年度に引き続き,特に「地震現象のフラクタル的性質」に着目し,さらに発展させるかたちで研究会を行う。この「フラクタル」という視点を通して,各分野の研究者間の議論を深め,地震のデータを解析していく,有効な方法や理論を開発していくことを期待したい。


本研究会は昭和62年11月27−28日の2日間にわたって統計数理研究所において開催された。この研究会は文部省科学研究費総合(A)によって開かれた研究会「地球科学における非線形現象」(62年8月),「Fracture,Faulting and Fractal」(63年1月)と連携して開催されたもので,本研究会では様々な現象におけるフラクタル的な側面のレビューを担当した。これまでは主に地震を中心にした地球科学的な現象を対象にしてきたが,今回からは地震に限らず火山の時・空間的分布,岩石や地殻中の弾性波の伝搬・散乱,極低温における弾性波の伝搬・散乱,対流におけるパターン形成,地磁気のカオス性等,広い範囲にわたった議論が行なわれた。参加者も地球科学からだけでなく,物理学,数学等の分野から理論,実験,観測を専門とする研究者が集まったため,狭い領域にとらわれぬ,有意義な議論を行なうことができた。研究会の最後の総合討論では,今後の研究計画として,地震現象にとらわれることなく,より広い立場でフラクタル,さらには一般的な非線形現象を研究すること,また海外の研究者との交流を深めることが提案され,今後その方向で研究計画を立案することになった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究集会で発表された研究の大部分は報告書「数理地震学(III)」に収められている。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

相沢 洋二

早稲田大学

飯尾 能久

京都大学

伊東 敬祐

神戸大学

大内 徹

神戸大学

尾形 良彦

統計数理研究所

甲斐 昌一

九州大学

金田 義行

石油公団

川上 紳一

名古屋大学

木暮 嘉明

東京工業大学

木村 龍治

東京大学

栗田 敬

筑波大学

郡司 幸夫

神戸大学

小山 順二

東北大学

佐藤 春夫

東北大学

高安 秀樹

東北大学

種村 正美

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所

中西 一郎

京都大学

原 啓明

東北大学

久家 慶子

東京工業大学

深尾 良夫

名古屋大学

藤井 直之

神戸大学

古本 宗充

金沢大学

松下 貢

中央大学

三村 昌泰

東京大学

本蔵 義守

東京工業大学

山口 昌哉

龍谷大学

山下 輝夫

東京大学

山科 健一郎

東京大学