平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2032

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

小学生の英語学習に対する動機づけに影響を与える要因

フリガナ

代表者氏名

カレイラ松崎順子

ローマ字

Junko Matsuzaki Carreira

所属機関

東京未来大学

所属部局

こども心理学部

職  名

専任講師

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

Vallerand (1997)はDeci& Ryanが提唱した自己決定理論にもとづき階層的内発的・外発的動機づけモデル ( HMIEM モデル:社会的要因→心理的3欲求→動機づけ→結果)を提案している。
本研究ではこの理論をもとに児童を動機づける要因の究明を行った。さらに、動機づけと3欲求が関係しているとすれば、これらの3欲求も学年とともに下がると予想でき、動機づけと3欲求の関係も学年とともに変化すると考えられる。すなわち、本研究の目的は英語学習に対する動機づけに影響を与える要因の発達的変化を調べることにより、各学年において3欲求のうちどの要因を強調した授業を行うべきかなど教育現場に直接的な示唆を与えることにある。また、自由記述式の質問紙も行い、テキストマイニングの手法により質的観点からも検証し、量的調査結果を裏付けていく。
成果
HMIEM モデルに関する質問紙調査を行った結果、HMIEM モデルは,日本の小学生の英語学習の環境において適用でき,さらに年齢にかかわらず,SDTの理論に基づく動機づけのプロセスは同じであることが証明された。一方で中学年と高学年で決定係数に違いのあるものも見られ、中学年のほうが教師の支援がより大きな影響を与えることが明らかになった。
一方、自由記述式の質問紙調査の結果は「英語の授業でいいと思うこと」において最も多かった答えは,「ゲームをする」が52名で,ついで多かった回答は「教師に関すること」が42名,「英語を話すこと」が40名, 「楽しい」が28名,「英語を暗記すること」が23名,「英語がわかるとき」が20名,「友達と一緒に学ぶこと」が20名で「物語」が14名であった。中学年と高学年の差を調べるため,Fisher's exact testを行った結果,「ゲームをすること」と「英語を暗記すること」において高学年の頻度のほうが有意に高かった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・ Language Learningに投稿し、修正および再提出を求められているため、現在修正中である。
・ Systemに投稿しており、現在審査中である。
・ 言語研究と統計2010(2010年28日大妻女子大学 千代田キャンパス)において「小学生の英語学習に対する動機づけに影響を与える要因」の口頭発表を行った。
統計数理研究所共同研究リポート236「小学生の英語学習に対する動機づけに関する調査分析」に
・ 小学校外国語活動に対する児童の情意面の発達的傾向
・ 日本の小学生の英語学習における動機づけー自己決定理論の観点からー
・ Children’s Language Learning Motivation
を掲載した。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

尾崎 幸謙

統計数理研究所

前田 忠彦

統計数理研究所