平成162004)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

16−共研−2007

専門分類

1

研究課題名

乱数生成法とその検定の研究

フリガナ

代表者氏名

ヤグチ ヒロタケ

谷口 礼偉

ローマ字

Yaguchi Hitotake

所属機関

三重大学

所属部局

教育学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年のコンピュータの高性能化とその普及に伴い、物理乱数や擬似乱数などを利用した大規模な数値
解析やシミュレーションは、様々な分野で一般的な手法となってきた。また、計算手法として、多数の
計算機を連ねたクラスター型並列計算も普及してきている。しかしながら、乱数生成法とその検定に関
する研究は、単一計算機の視点からなされたものが多く、このような状況に十分対応しているとは言
い難い。
 本研究は、従来からの乱数生成法などとは異なる生成法、すなわちカオス写像を利用した擬似乱数生
成法、Hybrid擬似乱数生成法等について研究し、そのランダムネスを解析する手法の確立、および、
乱数生成法の並列計算機上への実装の研究を目的とする。特に、カオス写像を利用した擬似乱数生成法
(実数シフト法)は、乱数を非再帰的に、すなわち直接的に生成するという、並列計算に適した新しい
生成法であるので、乱数が生成される理論的な背景の研究、ならびに、乱数系列を変化させた場合の統
計学的特性の変化について、ismaltxを用いて研究している。
 平成16年度は、実数シフト法が一様乱数を生成するメカニズムの解析において、著しい進展をみた。
すなわち、広島工業大学の久保泉氏との共同研究において、実数シフト法が生成する乱数値の分布は、
カオス写像に対応するPerron-Frobenius作用素の不変密度関数の平均で記述されるのではないかという予想
がなされ、各種の検定を行った結果、その予想が裏付けられたことである([1],[3])。これらの結果は今後、
論文としてまとめられる予定である。また、[2]では、実数シフト法から生成されるランダムウォークのサ
ンプルパスの検定について研究を行っている。
 実数シフト法は、160ビット長などの長い桁数をもつ乱数生成法に容易に拡張できるので、現在、入
力データに対応して長桁乱数を生成するメッセージダイジェスト関数(ハッシュ関数)への応用を、並列計算
機ismaltxを用いて研究中である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究集会・学会発表
[1]久保泉、谷口礼偉 「カオス写像で生成される疑似乱数の Perron-Frobenius 作用素による解析」
研究集会「エルゴード理論とその周辺」 2004年12月16日 大阪市立大学文化交流センターホール
[2]高嶋 惠三(岡山理科大学)「エルゴード理論と見本関数」
研究集会「エルゴード理論とその周辺」 2004年12月18日 大阪市立大学文化交流センターホール
[3]久保泉、谷口礼偉 「カオス写像で生成される疑似乱数の Perron-Frobenius 作用素による解析」
2005年3月27日 日本数学会・一般講演

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上田 澄江

統計数理研究所

高嶋 恵三

岡山理科大学