昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−38

専門分類

7

研究課題名

リウマチに及ぼす気象の影響の統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ババ ヤスマサ

馬場 康維

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計科学情報センター

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

リュウマチには急性関節リュウマチ,慢性関節リュウマチ,筋リュウマチがあり,その原因は明確には解っていない。たとえば,寒冷,湿潤の天候や季節との関係が指摘されてはいるが,その統計的な解析は十分ではない。
本研究は,全国的な時系列データを基に,リュウマチと気象要因との関係を明らかにするのが目的である。


慢性リュウマチ(以下RAと略す)と気象変化との関係は古くから報告されてはいるが,いまだ十分解明されてはいない。そこで,本年は,今後の研究の基礎固めとして,データの整備,基礎的な分析を行った。
本研究で用いた資料は,日本全国9地点(札幌,仙台,東京,静岡,名古屋,大津,岡山,博多,鹿児島)のRA患者の1983年7月から1984年3月までのリュウマチ日記である。この日記は日々の関節症状,日常生活における影響などを記したものである。これらはカテゴリカルデータの時系列として与えられる。
本年度の研究実施状況は以下の通りである。
(1)日記から得られる時系列を地点ごとにまとめて気象の変化との対応をみた。また個人ごとの症状変化,日常生活の影響なども同様に検討した。
(2)日記に記された項目間の関連性を日常生活に関する項目,症状の変化の2つに分けて検討した。
(3)投薬などの状況を示す時系列を症状の変化,日常生活に関する調査等と比較した。
これらの検討結果次のことが明らかになった。
(1)個人の時系列から症状の変化を示すものと示さないものとがある。
(2)いくつかの関節症状が,気象要因と関係している。
(3)一部の患者で気象変化に応じて関節症状及び日常生活動作が影響を受けること。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

これらの成果は「慢性リュウマチと気象」という題で日本リュウマチ学会(昭和61年5月28日〜30日)に発表予定である。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1.実施計画:宮本,行山が日本全国にわたるリュウマチデータの収集をし,医学的見地からの情報の提供を行い以下に述べる統計的解析結果あるいはそのための手法の医学へのフィードバックを図る。データはカテゴリカルな多次元データの時系列として観測される。そこで,馬場が,カテゴリカルデータの分析とグラフィカルな手法の開発と応用,鎌倉が,時系列データの分析のための統計モデルを構築し,リュウマチの時系列と気象との関連の解析を行う。
2.共同研究の必要性:医学者と統計数理の研究者との共同研究で初めて可能になることと,多次元の大量データの処理のため大型計算機が必要になることがその理由。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

行山 康

東京大学

鎌倉 稔成

中央大学

宮本 昭正

東京大学