平成122000)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

12−共研−1008

専門分類

3

研究課題名

鉄道の強風予測に関する時系列解析

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

Kitagawa, Genshiro

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

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E-mail

URL

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

JR東日本安全研究所では,1992年度より観測強風の時系列解析を利用した強風時列車運行ルールの構
築に着手し,本共同研究の開始までに,過去の強風事例を用いた予測シミュレーションを行ってきた。
その結果,数分〜十数分先までに吹く可能性のある最大風速の推定上限値にもとづいて運行可否の決定
を行うことにより,列車を長時間停止させる問題が相当程度緩和されるとの見通しを得ていた。また強
風データをとりこんでARモデルにより風速予測計算を行い,列車運行上の諸警報を表示するソフトウ
ェアも開発していた。
 本共同研究では,この手法の評価を行い,予測モデルのさらなる改良を目的とした以下の研究・開発
を行った。
1.強風予測システムの試運転: JR東日本安全研究所では,沿線風速計のデータを無線パケット通信
でリアルタイムに取り込み,毎3分間の最大風速の差分値にARモデルを当てはめることにより,3〜
15分先までの規制風速超過確率を計算し,警報を発するシステムを開発した。過去の風速データに
もとづくシミュレーションによれば,このシステムの導入により,必要運転規制時間にして約1割程
度の削減効果が期待されている。
2.予測アルゴリズムの改良: 従来の差分をとる方法の代わりにトレンド+ARの形の時系列モデルにつ
いて,過去の風速データを用いて検討した。このモデルの採用により,さらに1割程度の運転規制
時間の削減が見込めるものと評価された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会や論文の形での発表にはいたっていないが,実用化の準備が行われつつある。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

島村 誠

JR東日本

外狩 麻子

JR東日本

樋口 知之

統計数理研究所