平成282016)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

28−共研−2006

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

台風強度推定モデルの開発

フリガナ

代表者氏名

スズキ カズエ

鈴木 香寿恵

ローマ字

Suzuki Kazue

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ同化研究開発センター

職  名

特任研究員

配分経費

研究費

40千円

旅 費

50千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 気候モデルによって予測された将来気候における稀だが人間生活への影響の大きな事象として、台風が人口の集中する大都市圏へ到来する確率を導くことが本研究の最終目的である。しかしながら、気候モデルによる計算結果内に発生する台風の数だけでは確率分布を推定するための十分なサンプル数が得られない。
 そのため、様々な手法によって人工的に台風を発生させ(確率台風モデル)、その人工トラックを用いた台風の確率分布に関する研究が進められてきた。しかしながら、気候モデル自体にモデルバイアスが存在することから、将来気候におけるGCMの出力結果についてもバイアスがあると想定されている。特に将来気候下では先に述べたようにモデル自体のバイアスと台風の再現におけるバイアスがそれぞれあるため、従来の手法では十分に表現することが出来ていない現状である。
 物理的な側面から台風を再現することを目的とした台風モデルでも、その強度変化を現実に近づけることが現状まだ難しい。最悪シナリオと呼ばれる、過去に発生した多大な被害をもたらした台風の再現実験が多く行われているが、その強度推定にはまだ大きなバイアスが残っている。
 以上から、気候モデルのバイアス補正も行うことの可能な台風発生種のサンプリング手法の開発を行うことを目的とし、台風の強度を推定する統計モデルの開発を進めている。現在は、現業における台風予報に用いられている強度モデルを元に、中心気圧の変化を時間方向に表現し、初期値を入れることで、経路に沿った中心気圧の変化を推定するモデルを考案中であり、パラメーター推定の実施を行う段階となっている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.2. (b) 気候変動予測データの統計学的解析手法の開発、気候変動リスク情報創生プログラム テーマC 気候変動リスク情報の基盤技術開発 平成28年度研究成果報告書、平成29年3月.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究打合せを行った。
台風強度予報の統計的補正に関する話題
2016年12月20日・統計数理研究所・3名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 耕介

琉球大学

上野 玄太

統計数理研究所

中野 慎也

統計数理研究所