平成282016)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

28−共研−2032

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

現代日本人の投票参加・政策選好に関するコウホート分析

フリガナ

代表者氏名

ミフネ ツヨシ

三船 毅

ローマ字

Tsuyoshi Mifune

所属機関

中央大学

所属部局

経済学部

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

内外の先行研究から、日本における政治的無関心は先進国の中でも低い水準で推移していると考えられてきた。日本人は政治関心は高いが、それが投票率に結びつかないことから、現代的無関心が増加していると考えられる。日本における政治的無関心の長期的変動を究明した研究は管見の限りないのが現状である。また、イデオロギーもこれまでの単純な保守・革新に加えて新保守主義(ネオリベラリズム)などへと,多次元化が進んでいると考えられる。
 本研究はこのような現状を踏まえて、1976年から2014年までの日本における政治的無関心とイデオロギーの変動と投票参加の変動を、ベイズ型コウホートモデルによる分析から捉えることを目的とする。
 分析に用いるために作成しているデータは、明るい選挙推進協会による2000年の衆議院選挙調査と、2001年と2007年の参議院選挙調査データ、および1976年のJABISSデータ、1983年のJESデータ、1993年〜1996年のJES2データ、2003年〜2005年のJES3データであり、全部で11時点のデータである。これ以降の年次のデータ、現在のところ入手方法を検討している。
 これらの調査において、イデオロギーに関しては有権者の政策選好を表す11項目の変数の選好態度を用いて男女別に分析を行っている。投票参加に関しては投票した,棄権の2値データである.
途中までの分析結果の概要としては、以下のことが掲げられる。政治的無関心はやりバブル期に青年期を過ごした人はコウホート効果が高いと考えられる。しかし、2005年以降の新たなデータを加えることにより変化する可能性もある。特に2011年大震災以降の青年層の政治的関心は高く、さらに近隣諸国との領土問題などもありレイシズムの拡大する気配もあり,イデオロギーもより多元化していることが考えられるからである。これらと投票率の関係を捉えるためには理論的枠組みの整理,及び時代背景の正確な理解が必要であることがわかってきた.
 また,本研究に関しては、投票参加(投票率)の推移には内閣支持率の影響が大きく影響していると考えられるため、その影響を除去できるモデルを開発することも課題の1つであるが、これも現在開発中である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

日本人のイデオロギー・政策選好に関するコウホート分析の前段階として、日本人の政策選好の構造を分析ししたのが、以下の論文である。
三船毅(2016)「有権者の政策空間の変容」宮野勝[編]『有権者・選挙・政治の基礎的研究』中央大学出版部、25-80頁.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中村 隆

統計数理研究所