平成242012)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

24−共研−2032

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

現代日本人の政治意識・行動に関するコウホート分析

フリガナ

代表者氏名

ミフネ ツヨシ

三船 毅

ローマ字

Tsuyoshi Mifune

所属機関

中央大学

所属部局

経済学部

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

20千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 内外の先行研究から、日本における政治不信は先進国の中でも高い水準で推移し、1990年代中頃からはさらに上昇していると論じられてきた。しかしながら、日本における政治不信の長期的変動を究明した研究は管見の限りないのが現状である。本研究はこのような現状を踏まえて、1976年から2007年までの日本における政治不信の変動要因を、ベイズ型コウホートモデルによる分析から捉えることを目的とする。平成22年度からの継続研究課題であり、本年度はその3年目の最終年度である。
 分析に用いたデータは、明るい選挙推進協会による2000年の衆議院選挙調査と、2001年と2007年の参議院選挙調査データ、および1976年のJABISSデータ、1983年のJESデータ、1993年〜1996年のJES2データ、2003年〜2005年のJES3データであり、全部で11時点のデータである。これらの調査における「国の政治は信頼できますか」という設問の否定的回答である「弱不信者」と「強不信者」、さらにその合計である「弱+強不審者」の割合を、男女別に分析を行った。
分析結果の概要としては、以下のことが掲げられる。政治不信の時代効果は政治事件・スキャンダル、支持率の低い政権期に高い。年齢効果は50歳台半ばを境にして低くなる。コウホート効果は1945年前後生まれを境として効果は高くなる。弱不信者では時代効果は小さく相対的にコウホート効果、年齢効果が大きい。強不信者は時代効果が大きく、相対的にコウホート効果、年齢効果が小さい。データの期間内における弱不信者と強不審者の割合は変化しており、弱不信者は40?50%へ、強不信者は10?30%へと増加している。よって、コウホート効果の強い出生コウホートが社会の中心に移動していることを鑑みると、日本の政治不信は一過的な時代効果による政治不信の高まりだけでなく、その根底にはコウホート効果の影響が無視できない程度に大きくなってきていると考えられる。
ただし、時代効果には、その時点での内閣支持率が大きく寄与している可能性があることが判明した。よって、1976年から2007年までの時事通信社の内閣支持率データをモデルに組み込み、分析を進めている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

 本研究は、2012年度日本人口学会東日本地域部会(2013年3月23日、中央大学後楽園キャンパス)で報告した。
本研究の概要は、中央大学のホームページにある中央onlineで公開されている。
http://www.yomiuri.co.jp/adv/chuo/research/20121122.html(日本語)
http://www.yomiuri.co.jp/adv/chuo/dy/research/20121206.htm(英語)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

とくになし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中村 隆

統計数理研究所