平成142002)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

14−共研−7

専門分類

6

研究課題名

不均質な媒質中の地震波動伝播特性の時空間解析

フリガナ

代表者氏名

フルムラ タカシ

古村 孝志

ローマ字

FURUMURA Takashi

所属機関

東京大学

所属部局

地震研究所

職  名

助教授

所在地

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研究目的と成果の概要

不均質な媒質における地震波の伝播特性と強震動被害分布との対応を調査するため

(1)媒質の不均質性の空間分布に関する統計処理と地盤区分による分類
(2)観測される地震波動の振動方向の主成分解析(時空間分布特性)
(3)不均質地殻構造における地震波動伝播シミュレーションと観測量と
の比較検証
に関する調査を進め、大地震時の強震動被害分布の予測に関する基礎研究を行った。
上記研究のうち、地震波動伝播の大量データを適切に統計処理するために、統計科
学スーパーコンピュータ(HITACHI SR8000)を利用した。3次元不均質媒質モデル
における波動伝播をFDM計算により求め、高密度地震アレイ観測網での地震波形
記録との比較からモデルの検証を行った。大規模3次元計算には、SR8000の計算機
アーキテクチャーの特色を生かし、ノード内は自動並列化(OpenMP)を用いた疑似
ベクトル・並列計算を、ノード間はMPIを用いたハイブリッド型の並列計算コード
を用いた。
本年度は主として2000年鳥取県西部地震の地震動の伝播特性と地下構造の不均質性
との対応に関する研究を進めた、また、地震動の振動方向解析(主成分解析)から、
この浅い横ずれ断層型の内陸地震ではSH波が強く生成されたことを明らかにし、次
に西南日本で観測されたやや長周期Love波の分散曲線の統計解析と、地殻・上部マ
ントル構造の水平不均質性との対応を求めた。最後にこれらのモデルを観測と数値
シミュレーションから確認した。また、メキシコ地震における地震波形記録を統計
分析し、メキシコにおける地震波の距離減衰式(プレート内地震とプレート間地震
の違い)を検定した。
文献
T.Furumura,B.L.N.Kennett,and K.Koketsu,2003:Visualization of 3D Wave
Propagation from the 2000 Tottori-ken Seibu,Japan,Earthquake:
Observation and Numerical Simulation,Bull.Seism.Soc.Am.,V93,in press.
T.Furumura and S.K.Singh,2002:Regional Wave Propagation from Mexican
Subduction Earthquakes:The Attenuation Functions for Interplate and Inslab
Events,Bull.Seism.Soc.Am.,V92,2110-2125.