平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−17

専門分類

2

研究課題名

統計データ解析エキスパートシステムの構成法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ウチナミ セイイチ

打浪 清一

ローマ字

所属機関

九州工業大学

所属部局

情報工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

統計データベースシステムにエキスパートシステムを導入すると使い易いシステムが構成出来ると期待される。3年前はトップダウン的に要求分析を行い,2年前はシステム分析・設計を行った。昨年は,システム詳細設計や試作,各種試作・検討システムの紹介・討論を行った。本年度は,更にこれを進めてシステムの詳細設計・基礎実験を行い,その構成法の解明を目的とする。


本年度も夫々が自分の得意な分野で統計解析エキスパートシステム実現の為の研究を並列的に行なうと同時に,3月22,23日の研究会で,統計解析支援エキスパートシステム向きの黒板型システムを用いての実現法について討議した。
昨年度は,打浪の所で導入しART+について議論したが,これは高価で,本研究会のメンバーが誰でも自由に使える環境では無かった。
CSKの作成した黒板型エキスパートシステムXPT−IIを安価に使えそうだとのことで,XPT−IIの作成者の塩田氏に来て貰い,その内容と特徴,使い方について解説してもらった。これが本年度の最大のイベントであった。最初は無料でという話であったが,営利企業なので幾らかの使用料を払って欲しいとの事になり,その相談は次年度の課題である。
その後打浪から統計エキスパートシステムに黒板型が向いているという理由を説明し,全員で黒板型を用いたシステムの実現性について討論した。
埼玉大の中野助教授らは,重回帰分析支援システムRASSを黒板型で動くようにした試作結果について報告した。
統計エキスパートシステムの設計について,島根大学の小林助教授から,統計公式コンパイラとも言うべきシステムST−ATEXについて提案があった。本方式は,統計の定義式を記述し,それから統計解析ブログラムを自動生成するシステムである。
川崎医大の林氏らは意味ネットワークモデルを用いた統計解析コンサルテーションシステムを試作中であるとの報告があった。ハイパーリンクを用いて統計解析のガイドを行なって行くシステムの概略が示された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

H.Sato:“Statistical Data Models:from a Statistical Table to a Conceptual Approach”,in Statistical and Scientific Databases,Ellis Horwood series in Computer and Their Applications,1991.
小林他“統計解析プログラムの自動生成システム”
計算機統計学会和文誌 投稿中


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度迄に於て,統計エキスパートシステムを作成する為に,統計に関する知識・機能等について分析,システム分析,システム設計を行ってきた。
その結果,必要知識としては,手法毎の目的,用途,適用例,異常値の検出法と判定基準,手法の前提条件,得られる統計量と検定結果,要求データ構造と出力統計結果等が必要であることが分かった。またエキスパートシステムは黒板型モデルが適していることが分かった。本年は,対象を限定し,これらの機能を含む試験システムの詳細設計・試作,改善を計り,構成法を検討する。
会合してシステム設計を行うと共に,各自で得意な分野の研究を分担する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

硴崎 賢一

九州工業大学

刈谷 丈治

山口大学

小林 康幸

島根大学

佐藤 英人

東京国際大学

田村 義保

統計数理研究所

中野 純司

統計数理研究所

松田 孝子

石巻専修大学

力宗 幸男

神戸商科大学