平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−12

専門分類

1

研究課題名

外的基準を持たない多次元データに対する曲線当てはめについて

フリガナ

代表者氏名

ミズタ マサヒロ

水田 正弘

ローマ字

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院工学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

各変量が説明変量と目的変量に分けることが可能な場合には、回帰分析や多変量回帰分析法によりデータに曲線を当てはめ、データの有する構造を記述・解析することができる。しかし、外的基準を持たないデータに対する曲線当てはめについては、それほど研究がなされていない。そこで、この種のデータに対する解析法の開発を目的とする。


これまでの共同研究により、データが有する非線型構造を解析する手段として、曲線当てはめが有効な手段の一つであることが明確になってきた。特に、代数曲線による曲線当てはめ、Principal Curves は、適用範囲の広い手法である。
本年度は、従来の成果をもとに各手法の拡張および比較検討を行なうとともに、関連する周辺技術に関する研究を実施した。代数曲線当てはめ法を拡張するとともに、アルゴリズムの改良を試み計算時間の短縮を目指した。また、代数曲線および代数曲面の表示法として、すでに本研究で開発した「代数曲線と点との距離の計算法」を用いた方法を示した。
さらに、本システムをデータ解析システムに実装するための設計を行なった。
以上をまとめると、本年度の主たる研究成果は次の通りである。
(1)代数曲線による当てはめ法を、代数曲面による当てはめ法に拡張した。
(2)データや得られた代数曲線(曲面)を表示する方法を検討した。
(3)本研究課題による成果をデータ解析システムに組み込むための設計をした。
(4)曲線当てはめに関する「計算機における知識」を検討した。
(5)Principal Curves の解の安定性に関するシミュレーション実験を実施した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

水田正弘,垂水共之,動的な対散布図のLisp-Statによる実現,統計数理,45巻1号,1997年7月17日
M.Mizuta, H.Minami: Visual Manipulation Environment for Data Analysis System., Data Science, Classification,and Related Methods, Springer, 625-631.,1998年1月
馬場康維,土屋隆裕,中村好宏,小林良行,ブートストラップ法による標準誤差推定の試み(2),第11回日本計算機統計学会大会,1997年5月15-16日
M.Mizuta: Algebraic Curve and Surface Fitting to Multidimensional Data.,IEEE Int. Conf. on Systems, Man and Cybernetics 1997年10月12-15日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまでの共同研究により、データが有する非線型構造を解析する手段として、曲線当てはめが有効な手段の一つであることが明確になってきた。特に、代数曲線による曲線当てはめ、Principal Curves は、適用範囲の広い手法である。ただ、これらの手法を適切に使いこなすには、データ解析のみならず、幾何学や数値計算法の初歩的な知識を必要とする。そこで、平成9年度においては、これらの知識をそれほど持たないユーザへの支援システムの開発を目指す。統数研の馬場助教授は従来から角度データの解析についての研究成果があり、その基礎のもとに種々のデータ解析法の研究・開発を行ってきた。また北海道大学の水田助教授は曲面的構造を解析する方法を研究・改良している。さらに小樽商科大学の南助教授はコンピュータの専門家である。そこで本共同研究により、本年度の目的の達成を目指すことができる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

南 弘征

小樽商科大学