平成192007)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

19−共研−2007

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

照葉樹林のギャップ動態と樹木更新−特定種の遺伝構造によるアプローチ

フリガナ

代表者氏名

シマタニ ケンイチロウ

島谷 健一郎

ローマ字

SHIMATANI Kenichiro

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

130千円

研究参加者数

8 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

  本共同利用研究は、2004年度からの「照葉樹林のギャップ動態と樹木更新を抽出できる野外調査法と統計解析」(2034 及び2041)の延長線に位置し,ギャップ動態とギャップ形成後の樹木更新を基本単位とした,天然林の構造・動態特性の把握・評価を目的に置く。

多様な再生段階にある小斑(パッチ)の集合体である極相林は、従来、フィールドデータから得られた構造・動態パラメータを平均して評価してきた.それに対し上記共同利用研究では,様々な発達段階にある代表的パッチを正確に抽出する方法をまず確立させる.次に、各パッチにおける樹木集団の構造・動態を詳細に調査し、さらにそれによって得られた樹木群集の構造・動態パラメータを数理的により適切に評価することによって、天然林の構造・動態をより正確に把握しようと企てた.2年にわたる研究を経て,ギャップ形成に敏感に反応する特定種としてカクレミノ、イヌガシウ、ヤブニッケイが浮かび上がった。そこでこれらの種を広い範囲で小さい個体から精査する事を重点に据えて本研究は始まった.

本年度は、前共同利用研究の成果をまとめた論文のrevisingから始まった。最終的に、論文はEcological Researchから公表されることになった(業績1)。この論文では、Ishiguro & Sakamoto (1984)のベイズ型ノンパラメトリック法を直接用いてサイズ構造の違いを分析したが、データが環境傾度に沿って取られているため、その連続的変化を記述することが望まれる。そこでIshiguro & Sakamotoの手法を、2次元非定常ポアソン過程に拡張した手法を定式化した(業績2)。
2007年12月に、特定種特定地域の精査の継続調査を行なった。その前日には、これまでの研究成果に関する報告を含めた検討会を行なった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

【論文,プレプリント等】

業績1
Toru Manabe, Kenichiro Shimatani; Satoko Kawarasaki; Shin-Ichi Aikawa; Shin-Ichi Yamamoto

The patch mosaic of an old-growth warm-temperate forest: patch-level descriptions of 40-year gap-forming processes and community structures

Ecological Research (in press)


業績2
Shimatani Kenichiro

Size distribution changes associated with gap-forming processes - the two-dimensional inhomogeneous Poisson process with Bayesian nonparametric smoothing -

Research Memorandum No. 1038.  06/25/2007

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

相川 真一

森林総合研究所

池崎 翔子

九州大学

小野澤 郁佳

九州大学

河原崎 里子

情報・システム研究機構

木村 恵

東京大学

鶴田 健二

九州大学

練 春蘭

東京大学