平成182006)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

18−共研−1023

専門分類

6

研究課題名

地下水位データ解析法の研究

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

KITAGAWA GENSHIRO

所属機関

統計数理研究所

所属部局

職  名

所長

所在地

TEL

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研究目的と成果(経過)の概要

 中華人民共和国地震局では過去に大地震が発生した唐山市で地下水位を継続的に観測しているが,観測系列には強いトレンドや,トレンド周りの大きな変動が含まれ,そのままでは地震の影響の検出や地震予測に繋がる情報を見出すことが出来ない.そこで,産業技術総合研究所の松本則夫氏ほかとの共同研究によって開発したモデルを適用し,地下水位の観測時系列をトレンド+気圧効果+地球潮汐効果+降雨効果+観測ノイズの5つの成分に分解することを試みた.この分解では,気圧,地球潮汐,降雨の影響は,それぞれの影響成分として,分離されるので,地震に関連する信号が含まれていれば,トレンド+観測ノイズの中に含まれることになる.
 中国側からは,北京師範学校の大学院生が3月?4月,統計数理研究所に滞在し,データ解析とモデリングの研究を行った.特に,上記の地下水位モデルを状態空間モデルの形に表現し,カルマンフィルタやモンテカルロフィルタを用いて,各成分の分離抽出を行い,一応の成果を得た.残念ながら,推定されたトレンド成分には,極めておおきな変動成分が含まれており,また,ところどころ,急激な減少がみられることから,静岡県榛原のデータの場合のように,地震の影響を明確に捉えるにはいたらなかった.これは,唐山市付近における揚水等の影響を強く受けた変動が含まれているためと考えられる.したがって,地震の発生と地下水の変動を明確に捉えるためには,揚水等の記録を得ることが望ましいと判断し,中国側でその情報を入手し,さらにモデルの改良を行うことになった.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

王 ?

Beijing Normal University