平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−94

専門分類

8

研究課題名

日本人の意識調査のコウホート分析

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

継続的な社会調査データを分析しようとするとき、コウホート(世代)の視点が重要になってくる。本研究では、NHKによって1973年以来5年ごとにこれまで計4回実施されている「日本人の意識調査」データに対してコウホート分析の方法を適用することによって、日本人の意識の動向を捉えるとともに、拡張されたコウホートモデルの開発をめざす。


本研究の目的は、NHK世論調査部によって1973年以来5年ごとにこれまで計4回実施されている「日本人の意識調査」データに対してコウホート分析の方法を適用することによって、日本人の意識の動向を捉えるとともに、拡張されたコウホートモデル(コウホート分析におけるモデル選択の方法)を開発することである。
本年度は、共同研究者と合計4回(92年4月、10月、11月、93年3月)の会合をもち、議論をしながら研究をすすめた。
具体的には、以下のようなことを行なった。「日本人の意識調査」で継続されている質問項目(約350カテゴリ)について男女別にコウホート表(年齢層×調査時点別)データを作成し、3Dプロットなどにより視覚化して、年齢・時代・コウホートのいずれの要因が支配的であるかを検討した。この段階で、20歳未満のデータについては、20歳以上と変化の程度が大きく違うので、コウホート分析では除外することとした。
2)3つの効果が統計的に影響力があるのかどうかを判断するために、コウホート分析におけるモデル選択の方法を開発した。これについては学会で口頭発表を行なった。3)主要な56カテゴリを選定し、それらにコウホート分析におけるモデル選択の方法を適用した。4)分析結果を検討し、それらをまとめた共同研究リポートを刊行した。
93年7月には第5次の「日本人の意識調査」が実施される予定であり、新しいデータの追加を待って、再分析を行なう計画である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・中村隆,秋山登代子,橋本昌児,高橋幸市,坂元慶行:日本人の意識調査のコウホート分析。統計数理研究所共同
研究リポート41。1993年3月。
・中村隆:コウホート分析におけるモデル選択〜ベイズ型コウホートモデル(XII)〜。第20回日本行動計量学会大会。
1992年9月。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

[研究内容]「日本人の意識調査」で継続されている質問項目(約350カテゴリ)について男女別にコウホート表(調査時点×年齢)データを作成する。このデータに基づき、種々のグラフ等を作成するとともに、ベイズ型のコウホートモデルを適用し、これまでの考察結果と対比する。問題点を洗い出し、コウホートモデルの拡張について検討する。また、分析結果を資料集として刊行する。
[共同研究の必要性]NHKでは「日本人の意識調査」についてコウホートの視点を考慮しながら分析をしてきているが、統計モデルを用いたものではなかった。統計数理研究所で開発されたベイズ型コウホートモデルを適用した結果とこれまでの考察結果とを対比することによって、日本人の意識の動向についての新しい知見とコウホートモデルの新しい拡張への示唆が期待できる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

秋山 登代子

順天堂大学

坂元 慶行

統計数理研究所

高橋 幸市

NHK放送文化研究所

橋本 昌児

NHK放送文化研究所