平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−21

専門分類

1

研究課題名

モデル評価規準構成のための理論・方法論の研究

フリガナ

代表者氏名

コニシ サダノリ

小西 貞則

ローマ字

所属機関

九州大学

所属部局

大学院数理学研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

現象分析のための高次非線形モデルの構築と、最尤法の枠を外した柔軟かつ汎用性の高いモデル評価規準構成のための理論・方法論の開発研究を主な目的とする。このため、高次元データから有効に情報を抽出するための手法開発,コンピュータの利用を前提とした数理の展開と統計的数値計算法、最適化法等に基づく方法論の研究およびその応用研究を推進する。


1. 非線形構造を有するデータから、内在する情報を有効に抽出するための手法として、スプライン、Bースプラインに基づくノンパラメトリックモデルについて研究を行い、情報量の観点から平滑化パラメータの選択法を提案した。現在、シミュレーション実験によって、交差検証法(Cross-Validation)、一般化交差検証法(Generalized Cross-Validation)との比較を通して、開発した手法の有効性を検証中である。
2. 想定した確率分布モデルと事前分布を通して得られるベイズ型予測分布モデルは、様々な分野の現象分析のための有効な手法として用いられている。しかし、ベイズアプローチに基づく予測モデルの評価規準は、モデルの複雑さゆえに十分に研究されているとはいえない。
この問題に対して、統計的汎関数と漸近理論に基づくアプローチによる一般化情報量規準(Generalized Information Criterion)を拡張し、モデルの評価と種々の事前分布の探索を可能とする情報量規準の構築を研究した。さらに、理論的・解析的結果を実際問題へ適用するため、ブートストラップ法、ギブスサンプラー等の手法を検討し、本年度はシンプルなモデルでの有効性を検証した。今後、より複雑なモデルに対する検証と適用範囲の拡大化を検討していく。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

konishi, S. and Kitagawa, G. (1998). Second order bias correction foe generalized information criterion. Research Memorandum No. 663, The Institute of Statistical Mathematics.
Ichikawa, M. and Konishi, S. (1997). Model evaluation and information criteria in covariance structure analysis. Statistical Research Report No.SRR 009 - 97, The Australian National University.
Konishi, S. (1998). Statistical model evaluation and information criteria. To appear in Multivariate, Design and Sampling, S. Ghosh (ed.), Marcel Dekker.
Konishi, S., Statistical model evaluation and information criteria in multivariate analysis, International Conference on "Recent Advances in Statistics and Probability", Calcutta, January 1, 1988.
井元 清哉、小西 貞則. 情報量規準に基づくBースプライン平滑化パラメータの選択、日本数学会、1998年3月29日.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

多様なデータから情報を抽出するための非線形モデルの構築とその評価を可能とする規準の開発を目的として、次の研究を推し進める。(1)ベイズ型予測分布モデルの評価規準の研究を行い、種々の事前分布の探索を可能とする手法開発をめざす。(2)高次元かつ相関の高いデータに基づく非線形モデルの有効な推定法の提唱とモデル評価法の開発を推進する。(3)リモートセンシングデータ、種・系群識別分析にみられる極めて高次元のデータからの情報抽出を目的として、特に判別分析の非線形化の研究を推進する。(4)共分散構造分析におけるモデルの柔軟な評価法とは何かを実際的側面から研究する。情報量規準に立脚した統計モデル評価法の研究に関しては、統計数理研究所の研究者が最先端の研究を行っており、共同研究としてこの研究を推進することは極めて有意義であり発展が期待される。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

市川 雅教

東京外国語大学

北川 源四郎

統計数理研究所

中村 永友

札幌学院大学