平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−85

専門分類

7

研究課題名

心理的ストレスと健康に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

現代社会において、社会、文化、心理的要因から受ける心理的ストレスの健康影響が少なくないことが指摘されている。このような心理的ストレスの影響のダイナミックスの分析をめざすものであるが、本研究では、心理的ストレスを測定するために作成された調査票による調査結果をもとに、調査票を評価・再検討し、心理的ストレス測定の調査票を完成させる。


ストレスを計る調査票として、アイゼンクのパーソナリティテストを日本で使える形にすることが目的であった。ここ数年学生を使ったテストを通して翻訳版の適用の検討を繰り返して妥当性、実用可能性がわかってきた。平成5年度はこれを実用化をめざして、テスト項目の削減を試みた。多くの項目で構成された調査票への回答からなされるパーソナリティの型分類を、より少ない項目で行えれば、テストを受ける側の負担が軽減されるので、この試みは、今後の心理適ストレスの影響のダイナミックスの分析を目指すために大切である。
このために、2種類の翻訳版を使って学生を対象に集めたデータから、それぞれに回答構造を数量化3類を使って求めた。アイゼンクの指定する方法で得られる4つの型分類が概ね可能な構造として捉らえられた。2種類の翻訳版で異なる部分もあるが、一方が正しいと判断するのではなく、両方に共通している部分に意味がある。両方に共通してアイゼンクの分類と同様の構造を保つように項目を抽出した。ある程度試行錯誤を繰り返した段階で一方の翻訳版に限定し、さらに削減と構造分析を繰り返し、項目をおよそ3分の1に削減した調査票を完成させた。
項目を削減した調査票でのテストデータはまだ不十分であり、今後も検討を要するが、この一連の構造分析を通しての調査票の項目削減方法として、ファセット理論の国際学会で口頭発表した、また社会心理学会に論文として投稿している。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

山岡和枝、林 文、林知己夫:調査票の持つ構造を保持した簡易化の試み--Eisenckのパーソナリティテストの日本語訳簡略版の作成--、社会心理学研究(投稿審査中)

Kazue Yamaoka and Fumi Hayashi:Questionnaire making under the Consistent Structure of Attitude,the 4th International Facet Theory Conference,1993.8.31.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ストレスにかかりやすいパーソナリティのテストを翻訳した調査票である程度のデータが得られ、実用可能性、妥当性がわかってきた。本年度はこれを実用化することをめざす。すなわちテスト項目を減らしてもなおパーソナリティーの型分類が可能なものを探り、調査票の簡素化を計る研究をすすめる。
これを用いて、環境要因の違いによるストレスの比較のための在米日系人調査、日本での一般調査も実施し、それらの分析検討を通して調査票を完成させる。医学(公衆衛生学)統計的分析や、日系人の意識調査は統計数理研究所の国民性調査、日米を含む5ヵ国比較研究などの関連も深く、共同研究の必要がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

山岡 和枝

帝京大学