平成222010)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

22−共研−2007

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

体積ひずみ記録の高精度抽出法の開発とその適用

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

Kitagawa Genshiro

所属機関

統計数理研究所

所属部局

職  名

所長

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

研究目的:
米国カーネギー研究所が開発したSacks-Evertsons体積ひずみ計の観測精度は非常に高いが、それゆえに実際の観測記録は潮汐、大気圧、気温、降水量などの影響を受けている。したがって、それらが複雑に重なり合った生の体積ひずみ記録から、地震の前兆すべりやマグマの移動など微かな地殻変動を直接捉えることは不可能であり、それらの影響を取り除く統計処理が不可欠である.統計数理研究所は産業技術総合研究所との共同研究により,地震に伴う地下水位変化の抽出法を開発し,すでに数多くの実績を挙げてきた。本共同研究においては,これまでの研究成果を活用して,体積ひずみ計データから,地震に伴う異常すべりを抽出のための方法を開発し、実際の地殻変動の異常現象の把握を目指した研究を行った。

成果の概要
地下水位データ解析に用いた状態空間モデルを以下の2点に関して改良を行った.
(1) 降雨効果項に現れる不適切な振動を除去するために,降雨効果モデルの固有根を実根に制限しながら最適化を行う方法を開発した.
(2) 大きな地震や測定センサーのメインテナンスにともなる,急激な変化に対応するためにジャンプ項を新たに導入した.
これらの改良を行ったモデルを実装した計算ソフトウェア開発し,2003年十勝沖地震のデータを解析したところ,2回にわたってスロースリップが発生したことが明らかになり,地震発生メカニズムに関して極めて興味ある知見が得られた.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Tetsuo Takanami, Alan T. Linde,1Selwyn I. Sacks, Genshiro Kitagawa, and Hui Peng, “Slow slip following the 2003 Tokachi-oki earthquake M8 off Hokkaido”, 2010 American Geophysical Union, poster session, G43A-0825 (also submitted for publication).

H. Peng, G.Kitagawa, T. Takanami and N. Matsumoto,”State-Space Modeling for Seismic Signal Analysis, “ (submitted for publication).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高波 鐵夫

Carnegie Institution of Washington(Washington DC)

彭 輝

中南大学