平成18(2006)年度 若手短期集中型研究実施報告書
| 課題番号 | 18−共研−5001 | 専門分類 | 1 | |||||
| 研究課題名 | モデル選択のための情報量規準の漸近的特性 | |||||||
| フリガナ 代表者氏名 | ヤナギハラ ヒロカズ 柳原 宏和 | ローマ字 | Hirokazu Yanagihara | |||||
| 所属機関 | 広島大学 | |||||||
| 所属部局 | 大学院理学研究科数学専攻 | |||||||
| 職 名 | 助教授 | |||||||
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| 配分経費 | 研究費 | 50千円 | 旅 費 | 100千円 | 研究参加者数 | 3 人 | ||
| 研究目的と成果(経過)の概要 | 
| 本研究の目的は,モデル選択における情報量規準の漸近的特性を調べることにある.特に本研究では,共分散構造モデルでのモデル選択を中心に研究を行った.最適な共分散構造を決定する手法に仮説検定法がある.この検定統計量のほとんどは,観測値に対し正規分布を仮定した下で導出されているが,仮定された正規分布と観測値が本当に従う分布である真の分布が異なる場合,この検定統計量の帰無分布は漸近的に真の分布がもつ正規性から「ずれ」を表す指標である多変量尖度に依存する分布に従うことが知られている.そのようなずれの影響は多変量尖度の推定量を用いて除去することも可能であるが,Yanagihara (2007) で従来の多変量尖度の推定量は非常に大きな標本数がないと大きなバイアスを持つことを確かめ,仮説検定を修正することにより新しい選択法を提案することに限界があることを確かめた.一方,情報量規準により最適なモデルを選択する手法は,確率分布を用いていないため,真の分布のずれの影響は仮説検定を用いる手法よりも小さい.しかしながら,標本数が小さいとき,観測値の次元が標本数に較べ大きいとき,また真の分布の非正規性が大きいとき,情報量規準はリスクに対して無視できないバイアスを持つことがある.Yanagihara (2007) では,多変量線形モデルにおける変数選択問題において,部分的にクロス・バリデーション法を用いることでバイアスを補正した規準量を提案した.より一般的な枠組みでは,Yanagihara et al. (2006) でクロス・バリデーション規準のバイアスを未知パラメータの推定を標本数 n により若干調整した重み付き尤度関数を用いることにより補正した修正クロス・バリデーション規準を提案し,この規準量が従来の規準量である AIC や TIC よりもバイアスが小さくなることを数値実験により確かめた.またこの規準量は一般的な枠組みでバイアス補正を行っており,共分散構造モデルにおけるモデル選択でも利用できるバイアス補正された情報量規準である. | 
| 当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等) | 
| 論文: | 
| 研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。 | 
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| 研究参加者一覧 | |
| 氏名 | 所属機関 | 
| 二宮 嘉行 | 九州大学 | 
| 藤澤 洋徳 | 統計数理研究所 |