昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−45

専門分類

6

研究課題名

大次元パラメータ推定の高速処理法の開発

フリガナ

代表者氏名

タムラ ヨシアキ

田村 良明

ローマ字

所属機関

国立天文台

所属部局

地球回転研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

有用な統計モデルを,実際の問題に適用するにあたっては,大量の資料を用い大次元のパラメータを推定しなければならない問題が多数存在する。
本研究では,このような大次元パラメータ推定問題において高速処理法を開発すること,および,具体的応用例として地球科学部門(潮汐現象,地震波形の処理)の資料の処理方法を開発することを目的とする。


統計モデルを実際の問題に適用するにあたっては,大量の観測資料を用いて,大次元のパラメータを推定しなければならない場合が多数ある。本研究では,大次元パラメータ推定問題の具体的応用例として,地球物理学関係の観測資料,とくに潮汐資料の解析において,パラメータ決定の高速処理法の開発にあたった。
我々が採用している,Bayes手法を取り入れ潮汐解析プログラム“BAYTAP”は,
|残差|〓+〓・|ドリフトの階差|〓
の最小化を図る,一種の条件付き最小2乗法とみなすことができる。最小2乗法に関しては,観測方程式をQR分解することにより解くことができる。この時の計算量は,観測数をn,求めるべきパラメータ数をmとすると,〓オーダーになる。しかし実際の観測方程式は,階差をとることから非常に疎な行列になっており,この構造を生かせば,計算量のオーダーは変わらないものの,実際の計算量を著しく減らすことが可能である。
プログラムの開発にあたっては,数学的に最小の計算量ですむアルゴリズムが,必ずしも計算機で実行するのに最適の手法とは限らないということも考慮している。ベクトル演算機能(IAP)を持つ計算機(もしくはいわゆるスーパーコンピュータ)では,記憶容量を余分に取っても,単純なアルゴリズムを採用する方が有利なことがある。また,データの格納順序の最適化や,入出力回数を減らすことが,実際の高速化に役立っている。
潮汐解析という特定の問題については,高速処理法が確立したが,問題の一般化,および,高速化と記憶容量の縮小の両立が今後の問題点として残っている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1)日本測地学会
第67回講演会(昭和62年5月19日〜5月21日)
潮汐解析プログラム“BAYTAP”の改良
(その2)解析モデルの特徴について


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

有用な統計モデルを,実際の問題に適用するにあたっては,大量の資料を用い大次元のパラメータを推定しなければならない問題が多数存在する。
本研究では,このような大次元パラメータ推定問題において高速処理法を開発すること,および,具体的応用例として地球科学部門(潮汐現象,地震波形の処理)の資料の処理方法を開発することを目的とする。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

大江 昌嗣

国立天文台

佐藤 忠弘

国立天文台