平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−47

専門分類

4

研究課題名

ジーニ統計学とその展開

フリガナ

代表者氏名

タナカ ツトム

田中 力

ローマ字

所属機関

立命館大学

所属部局

経営学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

コラッド・ジーニの集中係数は、経済量の分布解析において注目され、様々な理論展開と応用がみられるが、彼の統計学の全体像の研究は十分ではない。そこで、本研究はジーニ統計学を原典に即して研究し、その理論的パースペクティブを明らかにした上で、応用可能性を検討することを目的とする。


コラード・ジーニの集中係数は、所得や資産など経済量の分布解析において注目され、様々な展開と応用が見られる。本共同研究は、(1)ジーニの統計学を原典に即して研究するとともに、(2)その理論的パースペクティブを明らかにした上で、応用可能性を検討することを目的として取り組まれた。
(1)原典研究としては、C.Gini、Statistical Methodes with special reference to Agriculture の第1章を小林が翻訳して検討した。これは、ジーニがその晩年ローマの FAO 世界食糧機構において統計学を講義したもので、彼の『統計学講義』(Lezione di statistica)とほぼ同じ構成になっている。記述統計の基本概念とくに Variability と Mutability の概念について検討し、それらが量的および質的変量の分析につながるアイデアをもっていることがわかった。
(2)「対数ガンマ分布の解析と母数の推定」を田口が行い、stochastic な意味の弱パレート性および causal な意味での弱パレート性について、また母数θが既知の場合と未知の場合について、α、βの推定を行った。対数ガンマ分布の計算は丸山が担当した。
また吉田は日本における所得分布の最近の動向を紹介し、田中は離散量の分配モデルを用いてジーニ係数が等しい場合の不平等度の比較方法について検討した。
[研究会の場合 開催期間:1997年10月30日 開催場所:統計数理研究所]


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

田口時夫「Causalな統計推論とstochasticな統計推論」経済統計学会第41回全国総会、
1997年9月27日
小林雅裕「C.ジーニ『統計的方法・農業に関連して』の紹介」経済統計学会関西支部月例
研究会1997年12月15日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究の実施は、主に研究者が統計数理研究所に出向き研究会を持ち、研究所の多くの資料と計算機を利用する形態で遂行する。ジーニ統計学の原典資料は、研究代表者および参加者がそれぞれイタリア留学中に収集したものを利用して準備し、適宜連絡と郵送を行い意見を交換する。また、応用面では、研究所所蔵のカレント雑誌から関連論文を参照すると同時に、経済統計や農業統計を用いて分析調査を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小林 雅裕

金沢経済大学

田口 時夫

東京経済大学

丸山 直昌

統計数理研究所

吉田 忠

大阪工業大学