昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−48

専門分類

7

研究課題名

動く調査対象集団の標本調査に関する研究

フリガナ

代表者氏名

トヨシマ ジュウゾウ

豊島 重造

ローマ字

所属機関

新潟大学

所属部局

農学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

11 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

動物個体数推定は自然保護対策の基本であり,林業,農業,その他の開発と自然環境との調和を考える上で,不可欠である。すでに野兎において推定法が確立しているほかは未開発の領域となっている。ここでは問題の多い哺乳動物(カモシカ,キツネ,クマ)について個体数推定の統計的方法を開発し,実用化を図る。


61年10月「大型哺乳動物の生息数推定に関する統計的研究」の題で研究連絡会議を開き,研究経過報告と研究のあり方,進め方を討論した。報告は,1.野兎の生息数推定法確立の経緯と生息数推定法の発展(林知己夫),2.北海道における野兎とキタキツネについて(柴田義春),3.秋田県における野兎とツキノワグマ(藤岡浩),4.新潟県におけるツキノワグマ(豊島重造),5.カモシカの生息数推定,下田村,朝日村,下伊那(豊島重造),6.カモシカの食害量よりする生息数推定(林文),7.カモシカの生息数推定に関するシミュレーション(樋口輔三郎)であった。
カモシカについてはヘリコプターによる調査法の確立をめざし,新潟県朝日村と長野県下伊那,木曽で調査を行なった。朝日村調査では一昨年のデータと比べると,一頭の一日の平均走行距離が長く推定され又足跡も多く発見された。天候などの条件によりどの程度のばらつきがあるのかなど今後の課題である。下伊那,木曽では雪の時期が限られており,調査日の設定が困難である。60年度調査によりも条件が悪くなり,足跡調査データとして使用できない地域があった。しかし条件の良い場所では生息密度のかなり高いことがわかった。又,このような面からもこの地方では,被害量と捕獲数の関係からする生息数推定法の確立が望ましい。今のところ,被害量のデータが一定でなく,よい推定が得られないが,将来は,被害調査マニュアル作成など林業行政と協力して完成させたい。
クマについては新潟県の環境部調査に協力し,三年間かけて行われた新潟県全域調査からクマ生息数推定をまとめた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.柴田義春,COC法によるキツネの行動追跡,野兎研究会誌,1986.6
2.豊島重造他,航空機による森林生息獣の密度推定法の開発に関する研究,野兎研究会誌,1986.6
学会発表
1.藤岡浩,ノウサギの生息密度と環境条件,野兎研究会,1986.10
2.豊島重造他,ヘリコプターによるカモシカの生息数推定(2),野兎研究会,1986.10
3.林知己夫,林文,食害と個体数−実践の生態学−,野兎研究会,1986.10


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

動物個体数推定は自然保護対策の基本であり,林業,農業,その他の開発と自然環境との調和を考える上で,不可欠である。すでに野兎において推定法が確立しているほかは未開発の領域となっている。ここでは問題の多い哺乳動物(カモシカ,キツネ,クマ)について個体数推定の統計的方法を開発し,実用化を図る。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川合 伸幸

  

駒澤 勉

統計数理研究所

斎藤 昌宏

林業試験場

柴田 義春

森林総合研究所

高田 和彦

新潟大学

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

林 文

東洋英和女学院大学

樋口 輔三郎

林業科学技術振興所

藤岡 宏

秋田林業センター