平成142002)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

14−共研−2008

専門分類

1

研究課題名

システム故障の統計的推測

フリガナ

代表者氏名

フタツヤ マサオ

二ツ矢 昌夫

ローマ字

Futatsuya Masao

所属機関

弘前大学

所属部局

理工学部 数理システム科学科 数理システム最適化講座

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

システム故障データに基づくシステム構造の推測は,工学の分野のみだけではなく医学や人文科学など
のいろいろな分野でも現象を記述するモデルを定めることに役立つ。このように現象にシステムの構造
をあてはめる研究は,まだ行われてはおらず,単なる母数の推測とは異なり,統計科学及びその応用の
幅を広げるとともに,他の分野に対する貢献も大きいと考えられる。これらのことを考え,今年度の第
一の研究目的は,システム故障データが得られたときに,どの程度システムの構造を定めることが可能
であるかを知ることであった。特に,信頼性工学などで広く用いられているk-out-of-nシステムを含む
コヒーレント(単調)システムのモデルあてはめを行うための研究を進めた。具体的には,次の2点つい
ての計算を行い検討した。
(1)コンポーネント寿命が同一分布に従い互いに独立であるとき,コヒーレントシステムの寿命密度
関数がk-out-of-nシステム寿命の密度関数の線形な凸結合で表現できる。コンポーネントが6個までの
すべてのコヒーレントシステムに対して凸結合における係数を計算した。コンポーネント数が増えると
システム数が多くなり,7個のときについては,現在,検討中である。これには数式処理システムの問
題が絡んでいる。
(2)コヒーレントシステムの寿命分布に従う乱数を発生させ,いろいろなシステムに対するAICの
値を求め,どの程度正しくモデル選択ができているかを検討した。現在,モデル選択の別の方法なども
検討している。
これらで得られた結果を二ツ矢・高橋"システム構造の同定"として2002年度統計関連学会連合大会で発
表した。また,応用面として,コックスモデルとの関係等の研究も進めている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

コンポーネントの故障(指数分布)が打ち切り標本で与えられている場合の,システム寿命の予測区間の構成
について,
二ツ矢・高橋"システム故障時間の区間予測"1996年日本統計学会で発表,
Futatsuya,M."Prediction Intervals for System Lifetime,Based on Component Test Data",IEEE Tran.on
Reliability,vol.R-49,pp.351-354,Dec2000.
また,稼働しているシステムの中の故障したコンポーネントのデータを使用し,そのシステムの残りの寿命に対す
る予測区間の構成について,
二ツ矢・高橋"稼働中システムのユニット故障データに基づくシステム故障の区間予測"1998年日本統計学
会,
二ツ矢・高橋"独立でないコンポーネントからなるシステムの区間予測"2000年日本統計学会で発表。
二ツ矢・高橋"システム寿命によるコンポーネント寿命の推測"2001年日本統計学会で発表。
二ツ矢・高橋"システム構造の同定"2002年日本統計学会で発表。
 コンポーネントがk-out-of-nシステムのときのk-out-of-nシステムというように幾重にもなった極限のシステム
について,
高橋・二ツ矢"ある多段順序統計量について"石巻専修大学紀要,1998年発表。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高橋 宏一

石巻専修大学

平野 勝臣

統計数理研究所