平成242012)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

24−共研−2038

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

事業所・企業統計の匿名化ミクロデータの作成実験と社会経済変動過程の解析への応用

フリガナ

代表者氏名

マツダ ヨシロウ

松田 芳郎

ローマ字

Matsuda Yoshiro

所属機関

青森公立大学

所属部局

経営経済学部

職  名

客員教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

525千円

研究参加者数

16 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 研究目的としては、先行研究である科学研究費補助金基盤研究(A)「法人企業統計調査と事業所・企業統計調査のミクロデータの統合新統計の編成と解析研究」(研究代表者:松田芳郎、平成17?20年度)において、統計法の目的外使用の許可を得たミクロ統計データに基づいて構築した「事業所・企業統合データベース」を拡充し、経済産業省所管の主要な諸調査をリンクし、主要産業に関する企業概念による内部利用の統計データベースを編成し、全産業に拡大した産業統計体系のあり方に関する研究をまず行う。次に公開情報である有価証券報告書データからこの統合データベースに侵入できるかを検討し、匿名化データとしての秘匿方法を開発する。さらに、統計諸調査をリンクしたデータベースを活用して、匿名化データの有用性の検討を行い、さらに過去に亘る企業・事業所統合産業統計の遡及推計を行い、公開可能な匿名標本データベースの構築を目指す。
本申請課題の成果(経過)の概要については、平成23年度共同利用研究に係る研究成果としては、研究集会を6月と10月に統計数理研究所八重洲連絡所で2度開催し、研究計画の確認と進捗状況の報告を行った。また、2011年度統計関連学会連合大会では、編成した企業統合データベースを用いた経済産業省企業活動基本調査と事業所・企業統計の完全照合による集計結果について古隅・松田が報告を行ない、年度末に共同研究リポート282『多国籍企業統計作成の意義と試み ?事業所・企業統計の匿名化ミクロデータの作成実験と社会経済変動過程の解析への応用?(中間報告)』を発行した。

 平成24年度共同利用研究に係る研究成果については、7月、11月、2月の計3回の研究集会を八重洲と立川で開催した。
 7月の研究集会では専門家ヒヤリングを実施し、産業統計にかかる最新動向について講演していただいた:「法人企業統計の標本設計の変更と金融・保険業の調査について」竹村伊津子(財務省財務総合政策研究所)、「平成19年第12回改定の産業分類の設計について」舟岡史雄(信州大学名誉教授)、「経済センサス:活動調査の設計と実施状況」佐々木健一(経済産業省)。
 11月の研究集会では関連研究や進捗状況について報告を行った:「2009年経済センサス基礎調査結果精度に関して」山田茂(国士舘大学)、「Coping with Stratum Jumpers」西郷浩(早稲田大学)、「税務統計に見た新規開業企業数」松本和幸(立教大学)、「標準産業分類における本社と持ち株会社をめぐって」作間逸雄・佐藤勢津子(専修大学)、「設備投資パターンの集計」古隅弘樹・松田芳郎(兵庫県立大学)。
 2月の研究集会ではミクロデータの匿名化と利用方法をテーマとし、年度内の研究成果を公表するための共同利用研究リポートの構成、統計調査の個票情報の利用申請にかかる集計表様式、アジア諸国の匿名化統計ミクロデータの利用と分析、進捗と今後の研究計画について報告・議論を行った。
 3月には年度の研究成果として共同研究リポート303『複雑な企業構造と産業分類の多様性による計算機による企業名特定化の問題』を発行した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

統計数理研究所 共同研究リポート303
『複雑な企業構造と産業分類の多様性による計算機による企業名特定化の問題』
2013年3月発行

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

>>>第1回研究会 2012年7月22日〜23日<<<

7月22日 於:統計数理研究所(八重洲分室会議室)
 11:00 開場
 13:00-14:00 第1部:座長:馬場康維
   研究会開催の趣旨(松田芳郎・古隅弘樹)
 14:00-15:00 平成19年第12回改定の産業分類の設計について
   日本統計協会専務理事:舟岡史雄、信州大学名誉教授
 15:00-16:00 経済センサス:活動調査の設計と実施状況
   経済産業省:佐々木健一
 16:00-14:20 コーヒーブレイク
 14:20-18:00 第2部:座長:松田芳郎
 14:20-18:00:22日のみの参加者の各自の研究計画の紹介と集計表に関する希望
 18:00 閉会

7月23日 於:統計数理研究所会議室(立川)
 10:30 開始
  座長:松田芳郎
 11:00-11:30 昨日の総括
 11:30-12:30 参加者の研究計画の紹介
 12:30-13:00 昼食
 13:00-14:30 今後の作表計画の紹介
 14:30 閉会


>>>第2回研究会 2012年11月15日(木)<<<
於:統計数理研究所(立川) セミナー室#5
第1部:座長:馬場康維 統計数理研究所
 10:00?11:00
   2009年経済センサス基礎調査結果精度に関して 山田茂 国士舘大学
 11:00?12:00
   Coping with Stratum Jumpers 西郷浩 早稲田大学
昼食 【12:00?13:30】
第2部:座長:松田芳郎 青森公立大
 13:30?14:30
   税務統計に見た新規開業企業数 松本和幸 立教大学
 14:30?15:30
   標準産業分類における「本社」と「持ち株会社」をめぐって 
    作間逸雄・佐藤勢津子 専修大学
コーヒーブレイク【15:30?16:00】
第3部:座長:栗山規矩 東北大学
 16:00?17:00
   企業の産業格付けと複数事業の兼業産業の分布 古隅弘樹 兵庫県立大学



>>>第3回研究会 2月13日(水)〜2月14日(木)<<<
平成24年度 統計数理研究所 共同利用研究(一般研究2)
研究課題「事業所・企業統計の匿名化ミクロデータの作成実験と社会経済変動過程の解析への応用」(24-共研-2038) 研究代表者:松田芳郎
機構長裁量経費 「総務省匿名化データ事業のアジア統計への発展」
(馬場康維、統計情報研究開発センター)

合同による 「ミクロデータの匿名化と利用法の研究打ち合わせ」

【開催日程】
2月13日(水)11時〜16時 於:統計数理研究所(八重洲オフィス)
2月14日(木)10時〜17時 於:統計数理研究所(立川)会議室3 A207

【議題】
(1)共同研究リポートの発行にかかる編集について
 統計数理研究所共同研究リポート303(2013年3月発行予定)
 和文タイトル『複雑な企業構造と産業分類の多様性による計算機による企業名特定化の問題』
 英文タイトル "Computational Identification Problem due to Complex Patterns of Firm Structure and the Difficulties of Industrial Classification Code Assigning"
(2)統計調査の個票情報の利用申請にかかる集計表様式について
 法人企業統計(財務省)、企活・特サビ・商業・工業(経産省)
(3)アジア諸国の匿名化統計ミクロデータの利用と分析について
(4)進捗および今後の研究計画について


【備考】
共同研究リポートの構成案について
1.事業所・企業の匿名化データの作成のための産業格付けの問題
 1)問題の所在:松田・古隅
 2)複数産業格付けの問題:松田・古隅
 3)規模移動の問題:西郷(今回は省略)
 4)日本のビジネスレジスターの現状:松田
  (1)複数調査の異業種格付けの確定
  (2)登記簿情報の導入と住所・住居表示の乖離
 5)多国籍企業の会計処理の問題点の研究状況の展望:松本(2/13詳細報告・検討)
2.日本標準産業分類の問題点
 1)問題の所在:松田
 2)日本標準産業分類の改定の経緯と将来展望:舟岡(要PPTスライドから文章化)
 3)本社機能の格付けに関して:作間・佐藤(提出済み)
3.産業別設備投資の動向解析の基礎データ(2/14詳細報告・検討)
 1)新規取得と古物資産の取得:古隅・松田
  (1)建設仮勘定からの振り替えを無視した場合
  (2)建設仮勘定からの振り替え増を考慮した場合
  (3)ケースデータから計数データに変換の場合の問題(馬場)


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 伸介

明海大学

大矢 奈美

青森公立大学

河野 秀孝

青森公立大学

栗山 規矩

石巻専修大学

今 喜典

青森公立大学

佐藤 整尚

統計数理研究所

周防 節雄

兵庫県立大学

土屋 隆裕

統計数理研究所

椿 広計

統計数理研究所

馬場 康維

統計数理研究所

舟岡 史雄

信州大学

古隅 弘樹

兵庫県立大学

松本 大吾

青森公立大学大学院

元山 斉

新領域融合研究センター

山本 俊

ノースアジア大学