平成142002)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

14−共研−2033

専門分類

6

研究課題名

超大規模人工衛星データセットからの情報の組織的抽出・統合と可視化技術の応用

フリガナ

代表者氏名

ヒグチ トモユキ

樋口 知之

ローマ字

Higuchi Tomoyuki

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

10 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

今まで我々の研究グループは,地球を極方向に約100分で周回する人工衛星データで観測された磁場
データから,地球と太陽風との相互作用によって地球近傍の宇宙空間に形成される大規模な電流系を推
定するアルゴリズムを提案した。このアルゴリズムを実装したソフトウェアは完全自動化されており,
すでに超大量人工衛星データ(DMSP-F7。毎秒値,磁場3成分)の約5年間のデータ(容量は約5ギガ
バイト)に適用し,さまざまな地球物理的観点からの新発見がまとまりつつある。今年の共同研究では,
この手続きを新しいデータセットに適用し,得られた地球電流系に関する情報を組織的に統合し,最終
的には理解しやすい形に可視化するWebサービスを開始した。
 今回利用したデータセットは,人工衛星DMSPシリーズの F13,14,15,16 の4つである。データの総
量は30ギガバイトにもなる。データ自体は,アメリカの共同研究機関の好意によって利用できた。ま
ずDMSP F-7データに提供済みの手続きを,これらの新しいデータセットに適用した。各データセッ
トのフォーマット,数値データの表現方法などが違うため,データの読み込みなどに関する技術的問題
をまず克服した。
 自動解析手続きがほぼ問題なく適用できたので,この計5つの人工衛星から得られた地球電流系に関
する情報を有機的にまとめ上げることをもくろんだ。5つの人工衛星は,軌道およびデータ取得期間が
少しずつ異なっているため,単純な図化では意味のある情報が表出してこない。適切な処理法の探索と,
効率的な可視化を次の研究テーマとした。最終的には,入力を太陽風データ,出力をこの可視化された
地球電流系の2次元マップとする,Web上でのシステムを構築できた。つまり,各クラス化された諸々
の太陽風データに対応して,一つ一つ地球電流系の2次元マップをGifファイルとして作成し,入力デ
ータをインタラクティブに操作すると,Web上に,それに対応するかのごとく地球電流系が図示化され
るような環境を提供している。このシステムにより,数値シミュレーションによって太陽風と地球磁気
圏の相互作用の研究を行っているグループが,彼らが行ったシミュレーションの結果と実際の観測デー
タを照らし合わせする際に,非常にやくだつものと期待している。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

プロジェクト研究に関するホームページを現在作成中。成果に関する情報は,以下に可能な限り記載す
る予定
http://tswww.ism.ac.jp/higuchi/AIFAC/index.html

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

大谷 晋一

ジョンズホプキンス大学

河野 英昭

九州大学

長尾 大道

核燃料サイクル開発機構

原口 健太郎

九州大学大学院

福山 恵子

九州大学大学院

山口 類

九州大学大学院

山下 哲

京都大学大学院

吉田 大紀

京都大学大学院