平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−54

専門分類

6

研究課題名

松代群発地震の統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ヒカワ ヒサヨシ

桧皮 久義

ローマ字

所属機関

地震観測所

所属部局

職  名

主任研究官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

10 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1965年8月から始まった松代群発地震は多くの研究者・機関で解析・研究され,今日の観測・予知体制や防災体制の基礎を作り上げる上で重要な活動であった。しかし,原データでも未だ整理されていないものや,今日の地震観から再整理をし,統計的処理に耐え得るものにする必要がある。そのようなデータを整理した上で,点過程などの統計モデルを当てはめて,群発地震の統計的性質を明らかにすることを目指す。


前回の共同研究(63−共研58)では松代群発地震活動前のデータを整理し,統計処理にも利用できるように整理した。今期間においては,やはり地震観測所に保管されていた松代群発地震に関する読取りデータをフロッピィディスクに入力し,計算機処理が出来るように整理することを目指した。その目的はほぼ達成することが出来た。フロッピィディスクにデータとして取り込んだ項目は,地震発生の時刻の分位までとWood−Anderson型地震計の振幅,及びその値から計算されたマグニチュードの値である。それに,有感地震原簿から転記した震度も含めた。地震リストと有感地震原簿の地震が対応するその地震の震度を記入し,対応する地震がリストにない場合には,その発生時刻と震度を記入した。また,マグニチュードは最大振幅値から計算し直して,入力ミスを防いだ。以来,松代群発地震活動の活動パターンは,当所から出されている有感地震回数の日別変化の図がよく引用されている。今回入力したデータは,大局的にその図と同様のパターンを示す。しかし,詳細においてまったく同じでない。有感,無感を含めてほぼ15万個ものデータがあれば,多少の違いはやむをえない。従来の図を再現するためのもとのデータは有感地震原簿しかない。
今回入力したデータは,1965年8月から1966年9月までの一定振幅以上の地震である。データ量としては多いが,現在もまだ活動があることからみると期間としては短い。少なくとも,有感地震については,全期間にわたる完全なデータセットを準備して,時系列解析などに提供できるようにしたい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

◎桧皮久義、「松代地震」の回数変化,地震学会1990年度春期大会にて発表。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度において群発活動以前のほぼ7年半にわたるデータをFDに入力し解析を行った。その結果,やや周期的な活動の増減がみられたり,均質なデータが,地震の規模でほぼ0.5まで得られていることがわかった。また,データとして充分に精度の高くないものも含まれていることがわかった。これらの結果に基づき,群発活動期間中の膨大なデータをFDに入力し,群発活動以前から群発活動に至る過程や,群発期間中の活動の特徴や傾向を統計的手法を用いて推論する。そのためには,高度かつ最新の統計的処理が不可欠であり,貴所の専門家の協力を要請したい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石川 有三

気象研究所

尾形 良彦

統計数理研究所

長田 芳一

地震観測所

永井 直昭

気象庁地震観測所

流 精樹

地震観測所

成戸 健治

地震観測所

西脇 誠

地震観測所

細野 耕司

気象庁

涌井 仙一郎

気象庁