平成111999)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

11−共研−1028

専門分類

5

研究課題名

ブートストラップ法によるノンパラメトリック識別器の設計に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ハマモト ヨシヒコ

浜本 義彦

ローマ字

Hamamoto Yoshihiko

所属機関

山口大学

所属部局

工学部

職  名

教授

所在地

TEL

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E-mail

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研究目的と成果(経過)の概要

パターン認識におけるノンパラメトリック識別器のひとつである Parzen 識別器は,与えられたサン
プルから確率密度関数を推定し,Bayes 決定理論に基づいて設計される。しかし,現実のパターン認
識問題では,訓練サンプル数が少なく,その一方で次元数が大きいため,確率密度関数の推定が困難
となる。そこで本研究では,ブートストラップ法の再標本化の概念に注目し,再標本化の結果として
得られたブートストラップサンプルを用いた Parzen 識別器の設計を行ない,その有効性を計算機実
験により明らかにすることを目的とした。
Pazen 識別器の設計では,ブートストラップ法と Fukunaga の提案しているテプリッツ法とを組み合
わせた。2クラスの識別問題として正規分布の人工データおよび手書き数字(47次元 Zernike 特徴)
に対して提案手法を適用し,各クラスの事前確率が異なる状況における Parzen 識別器の識別性能を
調べた。実験の結果,人工データに関しては大幅な識別性能の向上を実現したが,手書き数字ではブ
ートストラップ法の効果は小さかった。
さらに,各クラスの事前確率が等しいという状況のもとで、次元数の増加が Parzen 識別器に与える
影響を検討した。実験の結果,訓練サンプル数が限られている状況で次元数を増加した場合,従来の
Parzen 識別器では誤識別率が急激に増加するが,提案手法を用いることによりその増加が低く抑えら
れた。また,次元数の増加に対して,ある一定の識別性能を維持するために必要な訓練サンプル数は,
従来手法では次元数の1乗から2乗のオーダーであるのに対し,提案手法では訓練サンプル数をほと
んど増加させることなく識別性能を維持できた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

[1]Y.Muto,H.Nagase and Y.Hamamoto:"Evaluation of the Modified Parzen Classifier in Small Training
Sample Size Situations",Soft Computing in Industrial Applications,Suzuki,Roy,Ovaska,Furuhashu
and Dote(eds),Springer-Verlag(2000).
[2]Y.Muto,H.Nagase and Y.Hamamoto:"Evaluation of the Modified Parzen Classifier in Small Training
Sample Size Situations",4th On-line World Conference of Soft Computing in Industrial Applications
http://www3.muroran-it.ac.jp/wsc4/(1999).
[3]Y.Muto,H.Nagase and Y.Hamamoto:"Effects of the sample size in Parzen classifier design",
Proc.of IWSCI'99,pp.351-355(1999)
[4]長瀬裕和,武藤義彦,浜本義彦:"Parzen 識別器設計における 2,3 の考察---第2報---",
電子情報通信学会 パターン認識メディア理解研究会 PRMU99-81,pp.25-30(1999)
[5]武藤義彦,長瀬裕和,浜本義彦:"Parzen 識別器設計における 2,3 の考察",
電子情報通信学会 パターン認識メディア理解研究会 PRMU98-215,pp.173-179(1999)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

長瀬 裕和

山口大学大学院

三谷 芳弘

山口短期大学

武藤 義彦

宇部工業高等専門学校