平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−74

専門分類

7

研究課題名

臨床研究における生物統計手法の開発と応用

フリガナ

代表者氏名

サトウ トシヤ

佐藤 俊哉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

さまざまなタイプの臨床研究(ランダム化臨床試験、臨床疫学研究、など)を実施する上で必要な統計的手法全般に関する基礎的研究を行うことを目的とする。


抗高脂血症治療薬の最終的な目的は高脂血症を治療することで将来の心疾患発生を防ぐことができるかどうかであるが心疾患の発生を調べるためには長期間のフォローアップが必要であり、許認可前の第3相臨床試験を10年もかけて実施することは非現実的である。通常は抗高脂血症治療薬が血清コレステロールレベルをコントロール可能であれば薬効を認めるという形で第3相臨床試験が行われる。これはアメリカで実施されたLipid Research Clinics - Primary Prevention Trialで、抗高脂血症治療薬を用いて血清コレステロールをコントロールすることで虚血性心疾患の死亡を減らすことができたことによっている。
アメリカ人に比べ血清コレステロールレベルも虚血性心疾患死亡率も低い日本でLRC−CPPTの結果をそのまま当てはめることが妥当であるかどうかには議論がある。「高脂血症治療による虚血性心疾患の一次予防効果試験」はわが国における抗高脂血症治療薬の市販後臨床研究であり、血清コレステロールのコントロールというサロゲートエンドポイントではなく、真のエンドポイントを調べるための長期追跡研究である。われわれは、この研究のプロトコル立案に関して、研究の質の確保という観点から生物統計家として参加し、実際のプロトコル作成を行った。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

抗高脂血症薬市販後研究班,抗高脂血症薬市販後研究班試験計画書?Mega Study?,(財)日本公定書協会

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

臨床研究を実施するためには、サンプルサイズの設計、具体的な実施方法などの研究デザインの立案、そのデザインにしたがった研究の実施、実施途中でのデータのモニタリング等品質管理、最終的に得られたデータの解析、結果の報告、とその全ての段階において統計家が関与する必要がある。
本研究ではこれまでに、外れ値の検出によるデータのモニター、サンプルサイズ計算のためのプログラム開発などを行ってきた。今年度はいままでの成果を踏まえて、これまでに提案されている統計手法の整備、新しい手法の開発を行っていく予定である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

駒澤 勉

統計数理研究所

高木 廣文

統計数理研究所

椿 広計

筑波大学

椿 美智子

電気通信大学