平成172005)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

17−共研−2039

専門分類

7

研究課題名

脳卒中死亡率の動向からみた脳卒中対策の評価

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

Nakamura Takashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は、脳卒中の死亡率や罹患率の動向の変動要因を分析し、健康日本21の方針を視野に入れた21世紀の脳卒中対策の考案にかかる指標を提示することである。
これまでに実施した脳卒中の死亡率(全国)や罹患率(富山県)の動向の分析においては、過去の変動要因として、加齢のほかに、人々が異なる時代背景を歩むなかで形成された「世代の違い」や、これまでの脳卒中対策を含めた社会環境全体の変化など「時代」の影響が示された。これらの変動要因の効果推定値の推移は、脳卒中対策の歴史的変遷やそれに関連する社会統計資料を照合したところ、従来の脳卒中対策の成果である示唆を得た。
これに引き続き平成17年度においては、脳卒中死亡率(全国)の年齢・時代・世代効果の推定値をもとに、2005〜2050年における人口の年齢構成、世代構成の変化を加味し、さらに今後の時代効果の傾向として3つのシナリオを設定した脳卒中死亡数の将来推計値を算出した。
また、平成17年度において新しく加わった目的は、地域レベルでの脳卒中対策の評価の試みとして、各都道府県の脳卒中死亡率の動向から、年齢・時代・世代効果を推定し、これらについての地域による違いを検討することである。
まず主要6都道府県(北海道・秋田県・栃木県・東京都・富山県・大阪府)を選択し、脳卒中全体の死亡数と人口数を可能な限り追跡し(1960〜2000年)データを収集した。これらについて、中村のベイズ型APC分析を用いて年齢・時代・世代効果の推定値を算出し、分析結果を検討した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

【脳卒中死亡率の分析について】

平成17年度は、第64回日本公衆衛生学会総会において1)の発表をし、日本公衆衛生雑誌に論文を投稿中である。

1) 三輪のり子・中村隆・成瀬優知・大江洋介・大野ゆう子(2005).
日本の脳卒中死亡数の2050年までの将来推計,
日本公衆衛生雑誌第52巻第8号,611.
2) 三輪のり子・成瀬優知・中村隆・大江洋介・大野ゆう子(2004).
脳卒中死亡率のAge-Period-Cohort分析(1報)脳梗塞,
日本公衆衛生雑誌第51巻第10号,509.
3) 成瀬優知・三輪のり子・中村隆・大江洋介・大野ゆう子(2004).
脳卒中死亡率のAge-Period-Cohort分析(2報)脳出血・クモ膜下出血,
日本公衆衛生雑誌第51巻第10号,509.


【脳卒中罹患率(富山県)の分析について】

1) 三輪のり子・成瀬優知(2004).
出生コホート分析を用いた脳卒中罹患率の検討−富山県脳卒中情報システム事業より−,
厚生の指標第51巻第11号,10-16.
2) 三輪のり子・成瀬優知(2003).
出生コホート法を用いた脳卒中発症率の比較 ?富山県脳卒中情報システム事業より?,
日本公衆衛生雑誌第50巻第10号,517.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催はありませんでした。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

三輪 のり子

富山大学