平成182006)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

18−共研−6005

専門分類

7

研究課題名

大気汚染による短期健康影響の調査解析法の改善

重点テーマ

生物統計学の深化と展開

フリガナ

代表者氏名

ヤマモト エイジ

山本 英二

ローマ字

YAMAMOTO Eiji

所属機関

岡山理科大学

所属部局

総合情報学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

50千円

旅 費

280千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

国内では、浮遊粒子状物質(SPMやPM2.5)の短期健康影響を評価した研究が少ない.本研究では、それら浮遊粒子状物質のヒトの健康への影響を、国内のデータを用い日本では用いられていないcase-crossover studyという新しい疫学方法を利用し,評価を行い,応用上での新たな知見を得ることをめざした.目的は浮遊粒子状物質(SPMとPM2.5)による短期曝露と死亡の関係を評価することである.必要となるデータは大気汚染濃度(SPMとPM2.5)と死亡データである.当初東京都における人口動態調査死亡票の利用を考えていたがデータ利用環境ができていない中で,平行して試験的な解析をNIPPON DATA(循環器疾患基本調査がベースのコホート研究)で行った.東京都・大阪府における平成7年から12年の間の死亡者108人を対象にTime-stratified case-crossover study をIndexdayに対し1週間前,2週間前,3週間前のReferent days を設定した.条件付きロジスティック回帰モデルにより,SPM10μg上昇に対してOR 1.049(95%CI 0.956-1.150)を得た.標本数の制約から精度は落ちるが,大気汚染による短期健康影響が示唆される結果が得られた.
今後は,人口動態調査死亡票の利用による大標本での解析を実現したい.さらに,平行して大気汚染による長期健康影響に関する研究をCase-cohort study 等を用いた解析を行い,日本における大気汚染による健康影響を研究する中で,調査解析法の改善を目指したい.これらの結果は,平成18年11月2・3日統計数理研究所重点型研究集会「科学的証拠を取り込む技法としての生物統計学」において,「大気汚染の健康影響評価と研究デザインの模索」と題して頼藤・津田・山本により発表した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

頼藤・津田・山本(2006). 大気汚染の健康影響評価と研究デザインの模索,
統計数理研究所重点型研究集会「科学的証拠を取り込む技法としての生物統計学」
平成18年11月2日・3日,統計数理研究所.
T. Yorifuji, T. Tsuda, E. Yamamoto(2006). Health Impact Assessment of PM2.5 in Japan.
Poster Presentation in International conference on Environmental Epidemiology & Exposure, 2-6 Sep., 2006, Paris.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

津田 敏秀

岡山大学

柳本 武美

統計数理研究所

頼藤 貴志

岡山大学