平成202008)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

20−共研−6

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

1

研究課題名

逐次解析問題,ノンパラメトリック関数推定問題

フリガナ

代表者氏名

イソガイ エイイチ

磯貝 英一

ローマ字

ISOGAI EIICHI

所属機関

新潟大学

所属部局

自然科学系(理学部数学科)

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

未知母数の区間推定において区間幅と信頼係数を与えたとき、この2つの条件を満たす信頼区間を最小の標本数(最適な標本数)で構成したい。しかし、標本の大きさを固定した場合、このようなことは不可能であることが知られている。そこで、逐次手法を用いて解決することを考える。逐次手法として基本的には2段階法と純逐次法が考えられている。2段階法は被服確率が正確に信頼係数以上になるという一致性をもつが、区間幅を十分小さくすると、平均標本数と最適な固定標本数の差が無限大に発散してしまう。この欠点を克服するために、純逐次法が提案された。純逐次法は差が有限になる性質(2次の有効性)をもつが、一致性は持たず、弱い性質である漸近一致性しかもたない。正規分布、指数分布などを含む分布の未知母数およびそれらの関数の推定問題について2段階法と純逐次法を適応し、さまざまな性質が研究されている。
本研究では、位置母数と尺度母数をもつ分布について位置母数の逐次信頼区間問題を考えた。2段階法を用いた場合、2次の有効性を持たないことが知られているが、もし尺度母数が既知な下限を持てば2段階法は2次の有効性を持つのではないかという問題を考えているが、明確な結論が得られていない。今後の研究課題である。