平成202008)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

20−共研−1010

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

4

研究課題名

複雑系の相転移の数値的研究

フリガナ

代表者氏名

カソノ カツミ

加園 克己

ローマ字

KASONO Katsumi

所属機関

東京慈恵会医科大学

所属部局

医学部医学科

職  名

講師

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

目的: 有限温度における液晶相や磁気相を,秩序状態から別の秩序状態へと緩和させる非平衡緩和
シミュレーションを行う.これより平衡状態における相転移点や臨界指数を,計算時間数に
応じて,詳しく知る事ができる.
経過と成果: 1次相転移において潜熱を正しく計算できる方法を考案し計算を実行した.10状態
ポッツ模型の転移温度Ttにおいて,計算結果と数学的厳密解の比較を行った.
  正方格子(格子数 16384x16384)においてSwendsen-Wang法モンテカルロシミュレーションを
行い,完全な強磁性状態からスタートして緩和させたエネルギー E1(t)と無秩序状態から緩和
させたエネルギー E2(t)を計算した(tはモンテカルロステップ).ある数値精度の範囲で,E1
と E2 が t=T までで十分に一定値であった場合,E1 - E2 をその必要な精度で得る事ができ
る.数値精度を上げたい場合,格子数は十分大きいと考え,計算のサンプル数を増やすが,
その結果 T の値はあまり増加しない.問題は殆ど,サンプル数による誤差を減らすだけと
なる.
  今回,潜熱の厳密解と3桁の精度で計算結果が一致する事を示した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

加園克己.Swendsen-Wangクラスターを用いた1次相転移の解析II.
日本物理学会秋季大会.岩手,9月.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小野 いく郎

東京工業大学

田村 義保

統計数理研究所