昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−40

専門分類

6

研究課題名

電波干渉計データに基づく統計的画像形成処理

フリガナ

代表者氏名

イシグロ マサト

石黒 正人

ローマ字

所属機関

国立天文台

所属部局

電波天文学研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

電波干渉計データには系統的または非系統的な測定誤差が含まれている。従ってこのデータから電波源像を合成するには測定誤差を考慮に入れた処理,例えば統計的モデルあてはめが本質的に必要とされる。この研究の目的は2次元電波源分布を推定する実用的な方法を開発し同様な処理を要求する広い分野への応用の手がかりを得ることである。


昨年に引続き,電波干渉計における不完全データからの2次元画像形成処理についての研究を行った。現在よく利用されているCLEANやMEMなどの画像構成法は,すべての種類の2次元強度分布に対して常に最適な解を与えるとは限らず,それぞれ得意不得意があるので,使用にあたってはそのことに十分注意しなければならない。当面は,特定の種類の2次元強度分布,特定のイメージング・プロセスに対応した最適な画像形成法を開発していく必要がある。今年度は,野辺山宇宙電波観測所のミリ波干渉系によるメーザ電体のスペクトル開口合成に焦点をあて,従来の方法に比べて,メーザ天体の位置決定精度,スペクトル推定精度を共に向上させるための新しい画像形成法の理論的研究を行った。
観測から得られる情報は(u,v,f)の3次元データである。(u,v)は2次元の空間周波数座標,fは周波数座標である。従来,このような3次元の開口合成処理では,ある周波数での2次元画像形成処理を単に周波数方向に繰り返すのみであった。メーザ天体の場合は,2次元強度分布が点源の集合であるので,(u,v)座標でのモデルは単純である。通常は合成ビームより小さい距離にある2つ以上の点源を区別することは不可能であるが,周波数方向の情報を利用することにより,その分離が可能となることが期待される。また,あるメーザ点源の周波数スペクトルの推定精度も向上するはずである。つまり,この問題は(u,v,f)の3次元空間でのモデルの当てはめ,あるいは3次元CLEANの問題といえる。現在,具体的なアルゴリズムの開発を行っている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

電波干渉計データには系統的または非系統的な測定誤差が含まれている。従ってこのデータから電波源像を合成するには測定誤差を考慮に入れた処理,例えば統計的モデルあてはめが本質的に必要とされる。この研究の目的は2次元電波源分布を推定する実用的な方法を開発し同様な処理を要求する広い分野への応用の手がかりを得ることである。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

柏木 宣久

統計数理研究所

春日 隆

国立天文台

田辺 國士

統計数理研究所

近田 義広

国立天文台

森田 耕一郎

国立天文台