平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−71

専門分類

7

研究課題名

栄養調査対象者の食品秤量誤差に関する統計学的基礎研究

フリガナ

代表者氏名

カネコ シュン

金子 俊

ローマ字

所属機関

文教大学

所属部局

教育学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

食品重量を正確に知ることは栄養調査の精度を一段と高めることになる。本研究は栄養調査の際に対象者世帯に配布されることの多い最少目盛り5グラム単位の秤を用いて、対象者が実際に計測した食品重量と精密計器で測定場合との誤差について、その実態を実地調査を行うことによって知ることを目的とする。


各地、各方面で実施されている国民栄養調査に準じた方法の栄養調査の多くは、対象となった者が調査期間中に食べた食品重量を秤量するという作業を伴っている。従って、秤量の精度が高いということは調査の精度を高めるということになる。そこで、本年度は調査対象者がどういう状況で、どのように秤量しているか、を解明するための調査を実施した。
調査は平成5年9月、岡山市に所在する某女子大生160名を対象に栄養調査の際に一般的に配布され使用されている1Kg秤(最小秤量目盛り5g)を用い、用意した白飯、食パン、各種野菜、果物、肉、魚、鶏卵、乳、乳製品などをいろいろな状態にしておき、各食品の目安重量、次いで対象者全員による秤量をさせた。さらに、当方で調剤秤を用いて各食品の重量を秤量した。
その結果、現在までに判明したことは次のようである。1.鶏卵を50gと予断しつつ各食品の目安重量を決めるというやり方が、ほとんどの対象者の秤量態度に示された。2.微量な食品までも本器で無理に秤量しようとする傾向が見られた。3.少数ながら目盛りの単位を読み違える対象者がいた。などである。この調査結果を統計学的に解析し、高精度の栄養調査を検討する基礎資料とする。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

長野県中野市、千葉県安房郡白浜町において、家事を担当している中高年婦人約200名の対象家庭を訪問面接し、最少目盛り5グラム単位の卓上上皿秤を用いて、形状や種類の異なった種々の食品を秤量させる。
そして、その秤量値と精密計器による秤量値との誤差について検討を行う。こういった研究は栄養調査の精度を高めるための基礎研究として重要なものであり、かなり高度な統計学的解析処理を行う必要がある。
そのための作業の一部は文部省統計数理研究所のコンピュータを使用できることが望まれる。また、得られた成果は協力機関ならびに公衆衛生学会など関連学会に報告を行い、栄養調査関係者の基礎資料に資する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐伯 圭一郎

大分県立看護科学大学

高木 廣文

統計数理研究所