平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2004

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

対話型集約機能をもつ統計グラフの開発

フリガナ

代表者氏名

コバヤシ イクノリ

小林 郁典

ローマ字

KOBAYASHI, Ikunori

所属機関

徳島文理大学

所属部局

工学部電子情報工学科

職  名

准教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 統計グラフは、データの特徴を視覚的に捉えるための道具であり、昔から利用され、そしてわれわれの生活に役立ってきた。近年のコンピュータテクノロジーの進歩により、データの収集及び保持が安価にできるようになり、解析データのサイズが爆発的に大きくなった。このような状況では、ひとつの統計グラフ上で多量な解析データを表示しても、その特徴を把握することができないことがある。例えば、散布図において観測値を表すドットが何重にも重なってしまうということである。一方、データベースの分野では、OLAPというものがある。これは、関係データベースから多次元のキューブデータを作成し、それをクロス集計表上に展開して多方面からデータをすばやく観察するためのツールであり、その有用性はすでに広く知られている。
本研究の目的は、このOLAPの技術と統計グラフを融合し、多量な多変量データを統計グラフ上で探索的に解析できるツールを設計・開発することである。具体的には、データを対話的に集約(例えば、売上データを週別や月別にまとめる操作)したり、スライス(例えば、男性のデータだけに限定)したりする機能を統計グラフに実装する。統計グラフとしては、散布図、ヒストグラム、コロプレスマップなどの代表的なものを対象とする。これが実現できれば、視覚化が難しいと言われている多量で多変量なデータの視覚化を支援するための環境として利用されることが期待できる。
2009年度は、コロプレスマップにデータの集約機能を実装することができた。これにより、OLAPのようなデータ集約機能は多変量の地理情報データの探索的な解析に十分役立つことが実証できた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・統計地図の立体化とその評価,小林郁典,矢田貝昌宏,日本計算機統計学会第23回大会論文集(2009)

・OLAPのグラフ機能について,春山享平,小林郁典,日本行動計量学会岡山地域部会第30回研究会(2009)

・Statistical data visualization using OLAP techniques, Ikunori Kobayashi, Yoshikazu Yamamoto and Junji Nakano, IASC 2008 (Joint Meeting of 4th World Conference on Computational Statistics & Data Analysis of the IASC and 6th Conference of the Asian Regional Section of the IASC) Yokohama 2008.

● ホームページ

http://jasp.ism.ac.jp/

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

MURRELL, Paul

The University of Auckland

中野 純司

統計数理研究所

山下 瑛士

徳島文理大学