平成192007)年度 若手短期集中型研究実施報告書

 

課題番号

19−共研−3004

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

時系列モデルを用いた内部磁気圏磁場データベースの作成と解析

フリガナ

代表者氏名

ノセ マサヒト

能勢 正仁

ローマ字

Nose, Masahito

所属機関

京都大学

所属部局

理学研究科地磁気世界資料解析センター

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

50千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

この研究は、内部磁気圏を飛翔するMDS-1衛星の磁場データに含まれる衛星スピンの影響をカルマンフィルターの適用により除去し、内部磁気圏の磁場構造を統計的に調査することを目的とする。
磁気嵐時に発達するリングカレントは内部磁気圏の磁場構造を大きく変える。また、その磁場構造の変化はリングカレントの発達・減衰やイオン組成を変化させるなどのフィードバックを及ぼしうる。そのため、内部磁気圏の磁場構造がどの程度基底状態の磁場構造から変形しているかを調べることが重要である。内部磁気圏を飛翔するMDS-1衛星は磁場観測装置を搭載しており、約1年半に及ぶ磁場データを蓄積している。この磁場データには衛星スピンの影響による周期約12秒の変動が現れており、統計解析を行う前に、この変動を取り除く必要がある。しかし、この変動は、周期・振幅などが少しずつ変わるために、一般に用いられるようなバンドパスフィルターなどで抽出することは困難だと想定される。そこで、この研究ではカルマンフィルターにより衛星スピンによる変動を同定し、自然現象に対応する成分の抽出を行う。その後、磁場観測値はダイポール磁場およびIGRFモデルの値からどの程度差を生じているのかについて、磁気擾乱度を指標として統計的に解析を行う。
以上の研究計画に基づき、2002年の2月から12月のMDS-1衛星データを重点的に解析した。この期間は衛星が夜半球を主に飛翔している期間である。AE指数およびIMAGE衛星FUV画像からサブストームイベントを選び出し、そのときに衛星が観測していたデータを調べた。その結果、L=4-6といった深内部磁気圏においても磁場双極子化現象が頻繁に見られることが明らかになった。このことは、磁場双極子化がリングカレント領域での粒子加速に重要な役割を果たしていることを示唆している。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

平成19年度は公表なし。平成20年5月に開催される地球惑星科学連合大会で発表予定。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

該当なし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

五家 建夫

宇宙航空研究開発機構

越石 英樹

宇宙航空研究開発機構