平成162004)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

16−共研−2023

専門分類

3

研究課題名

モバイルメール広告の効果測定に関する研究

フリガナ

代表者氏名

コンドウ フミヨ

近藤 文代

ローマ字

Kondo Fumiyo

所属機関

筑波大学

所属部局

システム情報工学研究科

職  名

講師

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

研究目的
 ダイレクト・マーケティングは、今非常に重要視されている販売活動の一つであり、ダイレクトメール(DM)
はダイレクト・マーケティングにおいて最もポピュラーで有用な媒体である。ここ数年では、E-mailによる
DMが広く普及し、最近ではモバイル向けのE-mail DM(以下、モバイルDM)も登場している。本研究では
従来の紙媒体のハガキDMとモバイルDMの比較分析により、モバイルDMの効果を検証した。
成果(経過)の概要
 本研究では、モバイルDMクーポンの効果をハガキDMクーポンと比較することによって検証した。その
結果、ハガキDMクーポンが顧客の来店確率を高める効果を持つことに対して、モバイルDMクーポンの
効果は確認できなかった。つまり、同じメッセージ、割引率のDMクーポンでも媒体が異なれば、その効果
も異なるという結果が得られた。モバイルDMクーポンを送る頻度に関しては、月1回あるいは月2回と頻
度を変えて実験してみても、その効果に違いは見られなかった。
 ヘアカラーやパーマを割り引くDMクーポンがそれら追加的購買の確率を高めるかどうかに関しては、モ
バイル・ハガキ両者においてその効果は確認できなかった。今回の分析では、ヘアカラーやパーマをよく
する顧客とほとんどしない顧客はその傾向が一貫しており、前者ようなの顧客にタイミングよくDMクーポン
を送付することが追加的購買を促し顧客単価を上げることに有効であると考えられる。
 また、ヘアースタイルに関心の高い、パーマをよくするような女性がモバイルDMクーポンをよく利用する
という結果が得られたことから、今回実験した美容室では、そのような顧客にタイミングよく再度パーマの割
引を通知することがモバイルDMを有効活用する一つの戦略であるといえるだろう。
 ハガキDMに比べ、コスト面で非常に優れ、リアルタイム・ダイレクト・ポータビリティーといったユニークな
特性を持つモバイルDMであるが、今回の実験ではその効果はハガキDMのレベルには達しなかった。
顧客へのアンケート調査によれば、モバイルDMはハガキDMに比べて受け取ったことを忘れ易いという
特徴が最も大きな原因であることがわかった。また、クーポンを受け取った時点で美容室へ行く予定がな
かったというタイミングの問題もハガキ・モバイル両者に共通して存在した。顧客にモバイルDMクーポンを
受け取ったことを長く記憶に留めてもらい、来店した際にもクーポンを利用してもらうことを忘れないように
する工夫が必要であり、それぞれの顧客の来店間隔を考慮して、ひとりひとりのタイミングに合わせたクー
ポンを送ることがモバイルDMクーポンの効果を改善するための課題であるといえよう。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

http://www.hicbusiness.org/index.htmのホームページにある The 5th Annual Hawaii International
Conference on Business にて5月下旬に発表の予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上平 安紘

筑波大学

中村 隆

統計数理研究所