平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−11

専門分類

1

研究課題名

主曲線による空間構造の解析法とその拡張

フリガナ

代表者氏名

ミズタ マサヒロ

水田 正弘

ローマ字

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院工学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

主曲線(Principal Curves)とは、外的基準のないデータの構造を媒介変数表示した曲線である。特に、非線型な1次元構造を抽出するのに適している。本研究では、主曲線の導出アルゴリズムおよび、得られた曲線の解釈法を検討するとともに、主曲線の拡張としての「主平面(Principal Surfaces)」、「主点(Principal Points)」について研究する。


主曲線 (Principal Curves) とは、外的基準のないデータの構造を媒介変数表示した曲線である。特に、非線型な1次元構造を抽出するのに適している。本研究では、主曲線法により得られた解曲線の利用法を検討するとともに、主曲線の拡張としての「主平面 (Principal Surfaces)」、「主要点 (Principal Points)」および、主曲線の関連手法である代数曲線当てはめについて研究した。
主曲線の応用の一つとして、研究参加者によって開発・公表した離散データの解析法への適用がある。その際の留意点について考察するとともに、代数曲線当てはめ法の併用について検討した。数量化III類の結果の解釈に主曲線を利用することにより、解の効果的なグラフィカル表示が可能になる。これに対して、代数曲線当てはめ法を利用した場合には、柔軟な表示は困難であるが、代数曲線の係数から解の理論的な解釈が可能になる場合があることを見いだした。
さらに、主曲線が退化したと解釈できる主要点の性質について検討した。1次元分布における主要点については、既に、主要点であるか否かを判断するための理論的な結果を得ているが、2次元以上では明確な条件が得られていない。そこで、数値実験により2次元分布における主要点の各種パターンを生成し、考察した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

清水信夫, 水田正弘, 佐藤義治: Principal Points の性質について, 応用統計学, 第27巻第1号, 1998年7月1日
M.Mizuta: Two Principal Points of Symmetric Distributions, Advance in Data Science and Classification, Springer, 171-176.1998年7月21日
水田 正弘, 馬場 康維: 離散データ解析における曲線当てはめ法の利用について, 第66回日本統計学会, 1998年7月28-30日
M.Mizuta: Finding Nonlinear Structures of Multidimensional Data with Implicit Functions, The 3rd Conference on Statistical Computing, Asian Regional Section (ARS), 1998年12月2-4日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(研究内容)主曲線に関する理論および応用、拡張について、以下の事項を扱う。 1.アルゴリズムの効率化と、最適化手法の改良 2.得られた曲線の解釈法 3.主平面、主点への拡張 (共同研究の必要性)統数研の馬場教授は従来から角度データの解析についての研究成果があり、その基礎のもとに種々のデータ解析法の研究・開発を行ってきた。また北海道大学の水田助教授は曲面的構造を解析する方法を研究・改良している。さらに小樽商科大学の南助教授はコンピュータの専門家である。そこで本共同研究により、本年度の目的の達成を目指すことができる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

南 弘征

小樽商科大学