平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−4

専門分類

1

研究課題名

確率解析による確率過程の統計学の研究

フリガナ

代表者氏名

ヨシダ ナカヒロ

吉田 朋広

ローマ字

所属機関

東京大学

所属部局

大学院数理科学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

確率過程の統計的推測の理論で有力な解析手法となる確率解析,とくにMalliavin解析による,高次漸近理論の研究を行う。この研究はまだ始まったばかりで,確率論と統計学の両面からの研究を行う。


マルチンゲールの漸近展開はセミマルチンゲールの統計推測の高次漸近理論においてもっとも基本的な道具であるが、その研究は最近始まったばかりである。本研究では連続マルチンゲールの分布関数および分布の漸近展開に関する以前の結果の統計学への応用について調べた。エルゴード的拡散過程の汎関数の分布の漸近展開を導出する上で、その汎関数のマリアヴァン共分散の非退化性の証明をまとめた。エルゴード的拡散過程のパラメトリックモデルの最尤推定量の分布の漸近展開を導き、その展開の係数が-1/3接続係数で説明されることも確かめられた。さらに、有限時間、離散観測の場合に拡散過程の拡散係数の推定問題を考察し、疑似最尤推定量(最小コントラスト推定量)の分布の漸近展開も導かれた。
このほか無限分解可能分布の経験特性関数による推定についても研究した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

N.Yoshida:Asymptotic expansion for martingales on Wiener space and applications to statistics. 1995


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

確率過程の統計的推測の研究はその重要性にも関わらず未知の部分が多い。とくに,2次以上の漸近有効性の結果はほとんど知られていない。確率解析とくにマリアヴァン解析が高次漸近理論に応用できることが最近知られるようになってきたが,確率論のこの分野の研究者と協力し,さらに理論的な研究を行う。また,その手法は計量経済学への応用もあることがわかったが,このような確率モデルを利用する関連分野への応用も研究する。混合型確率変数の分布の漸近展開などの伝統的な統計学的問題にも新しいアプローチが与えられ,縮小型統計量の分布の研究に役立つことも最近わかってきたが,このような一般化も研究する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

植村 英明

愛知教育大学

尾形 良彦

統計数理研究所

茂野 洋志

     

杉田 洋

九州大学

内藤 貫太

島根大学