平成7（1995）年度　共同研究Ａ実施報告書

課題番号	7−共研−61			専門分類		7
研究課題名	歯、顎骨の形と機能に関する統計数理学的研究
フリガナ 代表者氏名	ソウマ　クニミチ 相馬　邦道			ローマ字
所属機関	東京医科歯科大学
所属部局	歯学部
職　　名	教授
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配分経費	研究費	0千円	旅　費		0千円		研究参加者数	11　人

研究目的と成果（経過）の概要

調和のとれた咬合の確立をめざす歯科矯正学において、咬合を構成する歯、顎骨等の形と機能に関する諸要素の相互関連性を把握することは重要である。これら諸要素の相互関連性に対し、統計数理学的手法を用いて検討し、不正咬合の診断や治療に対し有効な指針を与えることを本研究の目的とする。


本研究は、昭和62年より東京医科歯科大学歯科矯正学第一講座所蔵の不正咬合者および正常咬合者のデータを基に、咬合の成因に対する形態的因子の関与について、主に多変量解析を用いて検討することにより進められ、一連の成果を挙げてきた。
本年度はさらに一歩進め、本講座において従来より蓄積されてきた歯、顎骨の形と機能に関する臨床データに対し、数理統計学的アプローチを行うことにより、さらに詳細な諸要素の相互関連性を検討することを目的とした。
すなわち、顎顔面頭蓋形態と、機能のひとつである全身姿勢とに着目し、側面および正面頭部Ｘ線規格写真からの計測値、ならびに、接触型 Sliding gauge および全身規格写真から頚骨に対する頭位、脊椎の湾曲、隣接する肩部、腰部の形態の計測値を、検討対象データとして採用した。さらに、それらデータの相互関連性に対し、主成分分析、重回帰分析、正準相関分析等の多変量解析手法を適用した。
その結果、正面および側面の双方において、下顎位を含めた顎顔面骨格形態と姿勢を構成する形態との間で関連性が認められた。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

松岡伸也、滝川妙子、川口智子、石田哲也、飯田順一郎、相馬邦道:下顎骨の位置と頸・
肩部との関係?形態的特徴に着目して?、第6回日本顎変形症学会総会、1996年6月6,7日
発表予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究代表者らは、当共同研究として昭和62年度より「歯および歯列に関する統計数理学的研究」を行ってきており、成果を挙げてきている。一方、本講座では、歯、顎骨の形と機能に関し、従来より蓄積された臨床データに加えて、計算力学的研究により様々な成果を得てきている。今回さらに、これらの臨床データならびに計算力学的研究結果に対し、近年の先進的な確率論的アプローチを行うことにより、さらに詳細な諸要素の相互関連性の検討を行うことを計画している。これにより、矯正臨床における種々の不正咬合の診断や治療目標の設定に、より科学的な指針を与えることが可能になるものと考えられる。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
飯田　順一郎	東京医科歯科大学
飯田　穣	東京医科歯科大学大学院
石田　哲也	東京医科歯科大学
栗原　恵子	東京医科歯科大学
小林　郁子	東京医科歯科大学
杉浦　成昭	筑波大学
杉山　高一	中央大学
長谷　誠	東京医科歯科大学大学院
馬場　康維	統計数理研究所
久野　昌隆	東京医科歯科大学