昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−89

専門分類

8

研究課題名

社会調査における自由回答の統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ナガサカ ケンジ

長坂 建二

ローマ字

所属機関

放送大学

所属部局

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

社会調査における自由回答は,多肢選択型の回答に比べて分析が困難である。本研究では自由回答の構文解析と共に,キーワードに各サンプルが反応したかどうかに着目して,その反応行列を基本に統計解析を行ない,自由回答の科学的な分析を可能ならしめることを目的とする。


社会調査における自由回答の分析には多肢選択型の質問とは異なり,カテゴリー化や,キーワードの抽出はそれ程容易ではない。しかし予備調査や他の類似調査結果を考慮してキーワードを抽出し,各サンプルが反応したかどうかをチェックすることにより反応行列を作成し統計解析を行なうことは原理的に可能であることをまず確認した。
次いで,「郷土と文化に関する調査」の自由回答の一部を例として取り上げ,一部サンプルについて反応行列を作成し,林の数量化III類を適用して実験的試行を行なった。
一方,他の多変量解析手法MDAを,同調査の教育意識に関する質問に対して信州大学教育学部教授武藤考典氏と共に適用し,新たな知見を得たが上の実験的試行との比較は興味深い洞察を与えると共に,反応行列に対してMDA法の適用も可能であることを示唆している。
現状では,反応行列の大きさ(サンプル数とキーワード数)に制限があるが,今後はこの制限を緩和するためのアルゴリズム開発が肝要であろう。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

武藤孝典・長坂建二:教育意識の多次元尺度解析−MDAによる分析−信州大学教育学部紀要第62巻99−110(昭和63年3月発行)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

自由回答中のキーワードに各サンプルが反応したかどうかを示す反応行列(0,または1を要素とする大規模疎行列)を作成し,行列の特殊性に着目して各種の変換を行ない,自由回答のパターンを分析する。データとしては,61−共研−15:長野県民の郷土と文化意識の構造:において既に一部分析した「郷土と文化に関する調査」の自由回答の結果を利用する。大規模行列のため,統計数理研究所の大型・高速コンピューターの利用が望まれ,また行列演算のノウ・ハウが得られることがらも共同研究は有効であろうと思われる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

鈴木 達三

帝京平成大学