平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−26

専門分類

3

研究課題名

多次元ARモデルによる小児の左右大脳半球の機能分化に関する研究

フリガナ

代表者氏名

オガワ テルユキ

小川 昭之

ローマ字

所属機関

重症心身障害児施設「恵の聖母の家」

所属部局

職  名

園長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

大脳の右と左で,はっきりした機能のちがいがあるのは人間の脳に特徴的なことである。ARDOCK(石黒)を用いて,ヒトの右と左の大脳半球のインパルス応答から,左右大脳半球の機能分化が生後何歳から現われるのか,またシュミレーションでARモデルで経路を切断すると発達にともなってどの様なことがおこるのかを知る。


[目的]ヒトの発達に伴って、脳波の一導出部位から流れでる信号の遮断が他の導出部位にいかなる影響をもたらすかを知る。
[対象・方法]健康正常3,8,13歳各一例ずつの男子を対象として、安静閉眼覚醒時に両耳朶を不関電極として、左右の前頭、中心、後頭より6chの脳波を単極導出、磁気記録した。このアナログデータをミニコンピュータPFU−1200(富士通)を用いてサンプリング間隔20ms、512個の離散時系列のAD変換し、石黒(1989)により開発されたプログラムARdockを用いて解析した。
[結果](1)13>8>3歳の順に各チャンネル間の相互の関連が強まること、(2)13歳では8及び3歳に比較して左前頭部(Fp1)から他の部位への影響、特に、Fp1からFp2への経路がδ波をおさえ、α波を増加させる役割をしていることがわかった。
[考察・結論]脳波は興奮と抑制の2種の神経細胞群のつくる神経回路網からおこし出されているが、上述の成績はこの細胞間のフィードバックの減少に伴う発育脳の活動状態を示しているといえよう。また、年齢が長ずるに従い、左前頭部は右前頭部に比較して重大な機能を有することが予測された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Ogawa,T.,Sonoda,H.,:Interaction between heart rate and respiration in an infant with Ondines curse :multivariante AR modeling approach. J.Auton Nerv Syst. in press

石黒真木夫、小川昭之:多次元自己回帰モデルによる小児脳障害のシミュレーションとその発達 第6回生体・生理工学シンポジウム.平成3年12月3〜4日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

受胎後28週の未熟児から15歳に至る小児を対象として,脳波を国際電極配置10−20法で左右前後,中心,後頭部より単極導出,磁気記録し,20msecのサンプリング間隔で1区間1024個の離散時系列を求め,石黒によって開発されたプログラム「ARDOCK」を用いて6次元自己回帰モデル間のインパルス応答を求め,発達に伴う変化を追求する。またARモデルの経路切断結果を,脳障害児の結果と比較して考察する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

佐藤 圭右

大分医科大学

沢口 博人

大分医科大学大学院

園田 浩富

大分医科大学

広瀬 佳乃子

大分医科大学大学院

若山 幸一

大分医科大学大学院

和田 雅臣

大分医科大学大学院