平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−15

専門分類

1

研究課題名

乱数に対する逆サイン法則とその応用

フリガナ

代表者氏名

タカシマ ケイゾウ

高嶋 恵三

ローマ字

所属機関

岡山理科大学

所属部局

応用数学科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

モンテカルロ法などの統計理論を応用した模擬実験などでは良質の乱数が必要不可欠である。この研究では、代表的な疑似乱数であるM系列や統計数理研究所の物理乱数について、その統計的性質を、離散確率過程論で知られている逆サイン法則を応用することにより調べ、さらにそれらの結果を理論的に研究することを目的とする。


乱数に対する統計的検定として、1次元対称ランダムウォークの標本関数の汎関数による検定について研究した。特に、正の部分における滞在時間の他に、原点への最終到達時間、原点への第一復帰時間、さらに符号の交代回数などについてシミュレーションを行い、経験分布に対してカイ2乗検定を行い、さらにコルモゴロフ−スミルノフ検定と組み合わせることにより、精密化を計った。
その結果、これらの検定によっても、GF(2)上の原始3項式に基づくM系列擬似乱数は、その特性多項式の次数に比べ、長い連に関する汎関数のシミュレーションにおいて統計的に偏りのあることが示された。さらに、このような諸検定間の関連についても検討した。例えば、滞在時間検定と最終到達時間検定の関連については、両者の汎関数の同時分布を求めた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

高嶋、中本:乱数に対する滞在時間検定の精密化について、大阪教育大学紀要、42巻、1号、 1993年
高嶋:擬似乱数に対するランダムウォークによる統計的検定、数理解析研究所講究録 850、 1993年

高嶋:疑似乱数に対するランダムウォークによる統計的検定、数理解析研究所短期共同研究会、1993年6月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

平成4年度の共同研究において、1次元の逆サイン法則を用いた検定をM系列疑似乱数や統計数理研究所の物理乱数に対して行うことにより、それらの統計的性質を調べることが出来たが、平成5年度ではその結果をさらに押し進め、より次数の高いM系列の検定や、物理乱数の多ビットにわたる検定を行う。それと平行して、M系列において現れる特徴的な統計的偏りの理論的研究を行う。
こららの研究においては、統計数理研究所の物理乱数やM系列疑似乱数を使用した大規模な統計的検定を行うので、物理乱数発生装置や大型計算機などの設備の整った統計数理研究所との共同研究が必要不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上田 澄江

統計数理研究所

清水 良一

統計数理研究所