平成242012)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

24−共研−2020

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

3

研究課題名

体力運動能力・BMIのコウホート分析

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

Nakamura Takashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

167千円

研究参加者数

5 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年,過体重やそれを誘因とした生活習慣病への罹患は,中高齢者だけの問題ではなく,就学期の子供にとっても無視できない問題として認識されるにいたっている.文部科学省による「スポーツ振興基本計画」や厚生労働省による「21世紀における国民健康づくり運動」の報告や目標をみるまでもなく,国民の健康を保持・増進する上で,定期的な運動・スポーツの実施は不可欠な要素として一般化しつつある.このような背景に加えて,子どもや勤労青年の運動離れからくる体力低下が問題視されている.通常,体力低下は筋量の低下もしくは体重増加に比例し,体脂肪率と体力運動能力には負の相関が認められる.特に日本人の肥満比率は上昇傾向にあり,過去20年間に肥満者の割合(BMI25.0以上)は約2倍になり,24.9%に達している(米国は65.7%).こうした,国民の肥満化や体力低下の要因として,食生活の欧米化・生活環境・ライフスタイルの変化,運動不足などの生活習慣の変化が指摘されてきたが,体力運動能力・BMIの変化の構造(加齢・時勢・世代差要因の影響)はいまだ明らかにされてはいない.

そこで本共同研究では,第1に1939年からほぼ毎年実施されてきた体力運動能力調査(文部科学省)データから,子ども・青年・成人・壮年までの一貫して測定されてきた体力・運動能力について,また第2に国民栄養調査データからBMIについて,コウホート分析をおこない,各々の変化の構造を解明することを目的とした.

現在までに,50m走,ハンドボール投げ,持久走,急歩,走り幅跳び,背筋力,握力,垂直跳び,反復横跳び,日本人の柔軟性,立位体前屈,長座体前屈,上体そらしおよび懸垂腕屈伸、斜め懸垂の変化の構造を解析し,学会報告をおこなってきた.具体的には,日本体育学会,日本公衆衛生学会において,国民健康・栄養調査報告におけるBMIのやせ・適正・肥満割合の変化について,年齢・時代・コウホート効果の分離をおこなった.また,幼児のやせ・適正・肥満割合の変化についてコウホート分析をすると共に,体力運動能力・BMIの変化についての新データを加えた追試をおこなった.2012年度は,引き続き新データを加えた分析をおこない,論文化をおこなっている.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

○山本 達三, 坂口 俊哉, 菊池 秀夫, 中村 隆, 日本人の肥満・やせ割合のコウホート分析?BMI25以上と18.5未満割合にみる加齢・時勢・世代差要因の影響?, 「日本体育学会第61回大会予稿集」, 183. (日本体育学会, 豊田市:中京大学豊田キャンパス, 2010/9/8)

○山本 達三, 坂口 俊哉, 菊池 秀夫, 中村 隆, 日本人肥満・普通・やせ割合の年齢・時代・コウホート効果の分離,日本公衆衛生雑誌第57巻第10号, 258. (日本公衆衛生学会, 東京都:東京国際フォーラム, 2010/10/27)

○山本 達三, 坂口 俊哉, 菊池 秀夫, 中村 隆, 日本人の体力低下のコウホート分析, Supplement to Journal of Epidemiology, 257. (日本疫学会, 越谷市:埼玉県立大学, 2010/1/10)

○山本 達三, 坂口 俊哉, 菊池 秀夫, 中村 隆, 日本人の体力低下?「体力・運動能力調査」にみる年齢・時代・世代の影響?, 東海体育学会課題研究発表. (東海体育学会, 愛知工業大学,2009/8/1)

○山本達三,坂口俊哉,菊池秀夫,中村隆, 日本人の体力・運動能力の変化に対するコウホート分析,日本体育学会第59回大会,体育社会学専門分科会発表論文集, 36-41, 2008.

○山本達三,坂口俊哉,菊池秀夫,中村隆, 日本人の体力・運動能力の変化に対するコウホート分析, 日本体育学会第59回大会号, 79. (日本体育学会,早稲田大学,2008/9/10)

○坂口俊哉,山本達三,菊池秀夫,中村隆, 日本人の体格の推移に対するコウホート分析〜BMIに着目して〜, 子どもと発育発達, Vol.5, No.4, 234-235, 2008.

○山本達三,坂口俊哉,菊池秀夫,中村隆, 体力・運動能力の変化に対する年齢・時代・コウホート効果の分離〜反復横飛びに着目して〜, 子どもと発育発達, Vol.5, No.4, 232-233, 2008.

○坂口俊哉,山本達三,菊池秀夫,中村隆, 日本人のBMIの推移に対する年齢・時代・コウホート効果の分離, 日本体育学会第58回大会号, 250. (日本体育学会, 神戸市:神戸大学六甲台キャンパス, 2007/9/7)

○山本達三,坂口俊哉,菊池秀夫,中村隆, 日本人の体力・運動能力の変化に対する年齢・時代・コウホート効果の分離, 日本体育学会第58回大会号, 250. (日本体育学会, 神戸市:神戸大学六甲台キャンパス, 2007/9/7)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催はありませんでした.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

菊池 秀夫

中京大学

坂口 俊哉

鹿屋体育大学

山本 彩未

中部大学

山本 達三

愛知学泉大学