平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−105

専門分類

7

研究課題名

General State-Dependent Model の医学応用に関する研究 

フリガナ

代表者氏名

ワダ タカオ

和田 孝雄

ローマ字

所属機関

稲城市立病院

所属部局

職  名

病院長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

従来、申請者らは多変量自己回帰モデルを用いて生体内ネットワークの解析を行い、かなりの成果をあげて来た。しかし、医学的データの多くは非線形性を有しているため線形モデルのみに頼ることには問題がないとは言えない。そこで、日常遭遇する医学データにどのような非線形性が、どの程度関与しているかを検定するための汎用的な解析法を開発するために、研究を行う。


昨年度まで心拍の波のピークとピークの間隔を計測したR-Rレコードと呼ばれる時系列を非線形性、非定常性、非ガウス性など種々の角度から解析をすすめたきたが、間隔だけから得られる情報には限りがあることを考慮し、今年度は各種負荷と心拍波の時系列そのものとの関係を解析することを試みた。そのためにまず心拍の波の時系列そのものをモデルを通して特徴付けることを考えた
解析の基本的考えとしては以下の3.つのファクター、 1.初期値 2.一般的な高次(非線形)ダイナミックモデル 3. 1.と2.で説明できない外乱 でどの程度までデータを説明することができるかを追求した。
上記モデルは最もシンプルで有効なものとして線形のARモデルやARMAモデルを含み、2.の説明力の上がった極限として 3.の外乱がゼロのカオスを含む。これまでの解析の結果わかったことは外乱項が特殊な性格を持ちそのキャラクタリゼーションが非常に困難であると言う点。生体の他の部分との連携関係など、より多角的捉え方が必要かもしれないというのが現在までの到達した知見である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

"各種ストレス負荷時におけるR-R間隔変動の非定常時系列解析"
第3回生体信号処理解釈研究会、11月26日、'94

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

従来、尾崎らが行って来た非線形系の解析手法を、多変量系に拡張することに主眼をおく。まず、臨床で得られた心電図のRR間隔の変動に非線形性がどの程度関与しているかを調べる。すでに過呼吸状態においては、非線形性が大きく加わることが、バイスペクトル解析によって確認されているので、これについて上記手法が実用的な解析手法となり得るか否かの検討を行う。
ついで、非線形性の関与がよく知られている免疫系(多変量系)について、各種リンパ球の変動解析を中心に研究を行う。また、非線形モデル解析には、その解析対象となる単一の系から出力される多量のデータが要求されるが、生体の解析では、これが不可能な場合が多い。そのような場合を想定して最終的にはGMDHの手法も取り入れたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

尾崎 統

統計数理研究所